飼い主がいるのに犬をひき逃げしたとして、大渕愛子弁護士(37)が、夫から聞いた話に「許せない」とブログで怒りを露わにしている。しかし、ネット上では、飼い主にも落ち度があったのでは、と指摘する声も出ている。
大渕愛子弁護士は、日テレ系「行列のできる法律相談所」でおなじみだ。2014年8月24日には、俳優の金山一彦さん(47)と再婚したことを番組内で生告白して話題になった。
「飼い主がいるのに、そのまま去ってしまった」
大渕弁護士は、12月15日のブログで、夫の金山さんが最近、車に取りつけたドライブレコーダーに意外な効用があったと報告した。それは、犬のひき逃げの一部始終をレコーダーが記録していた、ということだ。
それによると、夫の金山さんが車を1人で運転しているとき、すぐ前を走っていたタクシーが大きな飼い犬を轢いてしまう場面に遭遇した。その犬は足を引きずって道路脇へ移動し、飼い主も戸惑った様子だった。ところが、「そのタクシーは、そこで停止もせず、そのままスピードを上げて去って行ったんです」。
金山さんは、飼い主に「追いかけるから」と言って、そのタクシーを車で追跡した。タクシーは、しばらくして停車して客を降ろしたので、金山さんが窓を叩くと、運転手は「わかってんだよ」と逆ギレした。しかし、運転手は、犬を轢いた現場にタクシーで戻って、警察を呼んだという。そこで、金山さんは、警察に任せて、仕事へ向かったとしている。
ドライブレコーダーは、その全貌を映像に収めていたそうだ。
もしタクシーを見失ったり、運転手が知らない顔をしたりしてもレコーダーなら追及できるとしたが、大渕弁護士は、「こういう映像を見ると、やっぱり許せないな~と思う」と運転手の行動を批判している。
大渕弁護士のブログには、主に共感するコメントが200件ほども寄せられている。
「双方にそれなりの非があったのではないか」
2ちゃんねるなどでも、「器物損壊だから当て逃げじゃないの?」「事故起こしたら先ずは停まって警察やろ」と、タクシー運転手の行動を疑問視する声が出た。
一方、ブログでは、犬が車道上に出ていたとも読めることから、「飼い犬が轢かれる状況は普通に考えていたらリード付けてませんよ」「急に飛び出してきたとかだったら運転手に同情するわ」といった指摘が出た。また、たとえ飼い主がリードを付けていたとしても、犬を車道側に歩かせていたのではないか、という疑問が出ており、飼い主側の責任を問う声も上がっている。
ブログ内容について、大渕愛子弁護士は、取材に応じ、今回のケースは、運転手が逃げるつもりだったと言い切る材料がなく、当て逃げといった犯罪と言うことはできないと説明する。しかし、他人の物を壊すことになるので、民法上の不法行為には当たり、犬の治療費などを保険で支払わなければならないと言う。
飼い主が犬にリードを付けていたかどうかについては、レコーダーなどではよく見えなったという。車がいっぱいいっぱいに通る狭い道だったため、たとえリードを付けていたとしても、犬が車道側を歩いた飼い主の責任を問うのは難しいとした。
「運転手は、徐行しなければいけないのに、スピードを出し過ぎており、前方不注意でもありました。一方で、飼い主も、犬を連れて車道のはじっこに寄れたかもしれません。今回は、双方にそれなりの非があったのではないかとも思います」
ただ、大渕弁護士は、「本来なら、運転手はその場で止まって警察を呼び、どちらが悪いのか確認すべきでした。そうできなくても、飼い主に『お客がいるので、後から来る』と言ってほしかったです」としている。
板倉宏日大名誉教授(刑法)は、飼い主にも過失がある可能性があり、その場合は賠償額にも影響が出ると指摘した。もし犬を轢いたことで大事故などになれば、飼い主の責任も重くなるという。