「殉愛」の百田尚樹氏が「引退宣言」? 「作家なんかいつ辞めたっていい」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   故・やしきたかじんさんの「最後の2年間」を描いたノンフィクション本「殉愛」を巡る騒動は未だ収束の気配を見せていない。発売直後からさまざまな疑惑や異論が浮上しているが、著者の百田尚樹さん(58)は一貫して「すべて真実」と反論し続けている。

   しかし、さすがの百田さんも叩かれ疲れてしまったのだろうか。2014年12月17日には「引退宣言」とも受け取れる発言が飛び出した。

「殺人でも犯した犯罪者みたいに罵倒されている」と嘆き

さまざまな意味で話題になっている『殉愛』(幻冬舎)
さまざまな意味で話題になっている『殉愛』(幻冬舎)

   11月7日の発売以降、良くない意味でも「話題の本」となってしまった同書。インターネット上では妻さくらさんの重婚疑惑や直筆メモの偽造疑惑が指摘され、関係者らからは「全くのデタラメ話」などと非難の声があがった。21日にはたかじんさんの長女が記述によって名誉を傷つけられたとして、出版差し止めと損害賠償を求めて提訴に踏み切った。その後、様子見していたとみられる週刊誌も「参戦」。騒動はヒートアップする一方だ。

   百田さんは疑惑や批判にツイッターで逐一反応してきた。「書かれたことはすべて真実だ!」などと訴え、長女の提訴にも「裁判は面白いことになると思う。虚偽と言われては、本には敢えて書かなかった資料その他を法廷に出すことになる。傍聴人がびっくりするやろうな」と強気な姿勢を見せていた(このツイートその後削除された)。

   ネットではこうした主張に理解を示す声もあるが、批判的なコメントは多い。百田さんのもとにも連日ネガティブな声が届いているようで

「謝れ。謝罪しろ。詫びろ。説明しろ。筆を折れ。引退しろ。最低。恥さらし。カス。死ね...多くの人からまるで殺人でも犯した犯罪者みたいに罵倒されている」(11月18日投稿)
「よくもまあこれだけ大勢の人が凄まじい怒りをぶつけてくるもんや。本当のことを何も知らんくせに!」(11月30日投稿)

などとあきれていた。

「世間に媚びへつらって生き残ろうとは思わん」

   そんな中で12月17日には、少し「弱気」なツイートを投稿、来年中の引退をにおわせているのでは、と注目を集めることになった。

「百田尚樹はこれで終わり、というようなことを嬉しそうにツイートしている人が多い。そんなに嬉しいかね 別に作家なんかいつ辞めたっていい。世間に媚びへつらって生き残ろうとは思わん。もともとデビューした時、十年で引退と思っていた。来年で九年。一年早く辞めたってどうということはない」

   引退自体は過去にも言及していて、60歳を一区切りに考えていることも度々触れていた。直近では11月18日のツイートでも引退を示唆していたが、「あと二作くらい書いて引退するか。60歳からは宅建の免許取って不動産屋になる!」という内容と比較すると、今回のツイートはやや投げやりになっている感も否めない。

   一方で、批判的な週刊誌に対する反論の手も緩めていない。さくらさんが遺書に記された寄付先に「遺贈の放棄」を迫っていたことなどを報じた「週刊朝日」(12月26日号)と「サンデー毎日」(12月28日号)に対しては、「悪意丸出し!」「こんなイメージ操作した記事まで書くとは!」とお怒りだ。また、さくらさんの卒業アルバム写真や過去の経歴などを掲載した「女性自身」(12月30日号)については「完全に犯罪者扱い! これはどう見ても人権侵害やろう。こんなことが許されるのか!」と問題視した。

   しかし、百田さんのこうした反論は、必ずしも功を奏していないようだ。社会学者の古市憲寿さんは「政治、宗教、そして百田尚樹さんの話を仕事相手としてはだめ」と皮肉たっぷりの「格言」をツイート。百田さんを支持する声が広がりを見せているとは言えない状況だ。もちろん週刊誌の中には「応援組」も少なくないものの、すでに訴訟になっていることもあり、結局は裁判で決着がつくことになるのだろうか。

姉妹サイト