米3大紙が安倍首相を一斉攻撃 「歴史をごまかそうとする勢力を後押し」

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「慰安婦問題に最初に光を当てた朝日新聞」への攻撃を批判

   NYタイムズは過去に、沖縄県・尖閣諸島を巡る記事で「歴史的に見て中国領」(2012年9月19日付)、「日本が日清戦争の戦利品として盗んだ」(13年1月5日付)との記事を掲載し、いずれもニューヨーク総領事が抗議している。今回は別の角度から、日本を批判した格好だ。

   安倍首相の歴史認識、特に慰安婦を巡る姿勢について異を唱えたのはNYタイムズだけではない。ワシントンポストのコラムニスト、リチャード・コーエン氏は12月8日付の記事で、「安倍首相とその影響を受けた保守系メディアは、戦時中の性奴隷についてごまかしを決断した」との主張を展開した。歴史の修正を望む人たちは「安倍首相の暗黙の了承の下、朝日新聞に対して、日本が強制的に数千人の女性を性奴隷にしたことを暴いた記事を取り下げるように強烈なプレッシャーを加えた」とも書いている。

   ロサンゼルスタイムズも同調する。12月11日付社説の題名は「日本のナショナリスト、『慰安婦』歴史の修正企てる」だ。「女性たち(ほとんどが韓国人)は、誘拐されたか何らかの強制的な方法で日本兵に性行為をさせられた」「歴史の修正を試みるナショナリストたちは、慰安婦問題に最初に光を当てた朝日新聞の元記者に攻撃を加えている」と、NYタイムズと似た論調と言えそうだ。

   朝日新聞が「20年以上前に1人の情報源から数本の記事をねつ造した」点にも触れている。吉田清治氏の「慰安婦にするため女性を暴力的に無理やり連れ出した」と強制連行を認める証言に基づいた記事を指しているようだ。朝日は吉田氏の証言が虚偽だったとして記事を取り消したが、LAタイムズは「この一件をとらえて、朝日新聞には日本の戦時中の行為について世界中に誤った認識を広めた責任があるとの批判を呼んでいる。だがこれは(慰安婦だった)女性たちの数多くの証言を無視したものだ」と指摘した。

   日本政府は慰安婦問題を「多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識」しており、河野談話について安倍首相は「見直さない」と明言している。だが、米主要3紙がいずれも「歴史をごまかそうとしている集団の背後には、安倍首相がいる」との見方を崩していない。「性奴隷」という表記の使用継続や、慰安婦の「強制連行」の記述を含めて、日本側の主張が米メディアに届いていないのは確かなようだ。

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