第47回衆院総選挙(2014年12月14日投票)で、比例代表の開票判定を巡って、選挙管理委員会の判断にインターネットで異論が出ている。
秋田県大館市で投じられた比例代表の票に、「日本」とだけ書かれていた投票用紙があり、それを「日本共産党」の票としてカウントしていたというのだ。
速報では「無効票」、共産党の立会人の申し出で「加算」
秋田県大館市の選挙管理委員会によると、2014年12月14日22時48分に秋田県選挙管理委員会に開票結果(速報ベース)を報告した際には、「日本」と書かれた投票用紙を無効票にカウントしていたが、その後、開票管理者である選挙管理委員長が共産党の票に訂正した。
「日本」の表記は正式名称でも略称でもないため、「開票スタッフの判断では無効票としましたが、その後、共産党の立会人から申し出があり、協議しました」と、大館市の選管は明かす。
公職選挙法では「投票した選挙人の意思が明白であれば、その投票を有効とするようにしなければならない」と、無効規定(第68条)に反しない限りは投票を有効にするよう定めている。
大館市の選管は、「票数は1票ですが、選挙管理委員長から投票の意思を汲み取りたいとの意向があり、届け出政党(9つの党)のうち5つの党の立会人が了承したので(加算した)」と説明。「(委員長が)単独で決めたわけではなく、各政党の立会人も了承したうえでのことです」と話す。
また、「共産党」の票と判断したことについては、「比例代表の届け出政党で『日本』が付くのは日本共産党しかありませんから、それらを踏まえて判断しました」としている。
前回の衆院選(2012年12月)のときは「日本」が付く比例代表の届け出政党は、日本共産党のほか、日本維新の会、日本未来の党があった。そのため、「日本」と書かれた投票用紙は3つの党で案分したが、今回は「日本」共産党の票と判断したという。
こうしたケースに、総務省選挙課も「公選法に基づき、開票管理者(選挙管理委員長)の判断にまかせています」と話し、とくに「問題はない」との認識だ。