往年の映画評論家、淀川長治さんがテレビによみがえった。淀川さんが出演する動画配信サービス「Hulu」のテレビCMが2014年12月16日から放送されている。
CGで復活したCMになったが、視聴者からは「懐かしくてなんかあったかい気持ちなる」「まさか、CMでよみがえるとは~」と淀川さんを懐かしむ声がツイッターなどに書き込まれている。
淀川さんのちょっとした仕草まで再現
現在放送されているCMは全3バージョン。カクカクしたCGの淀川さんが「また、お会いしましたね。淀川長治です」とあいさつし、「いい映画が増えたね」「うれしくて眠れませんね」などと語る。
最後には、おなじみの「さよなら、さよなら、さよなら」を連想させる「それでは映画はHulu、Hulu、Hulu」というフレーズも登場する。話している時に少し身を乗り出すなど、淀川さんのちょっとした仕草まで再現されている。
Huluによると、今回のCMは「今夏から映画ラインアップがさらに充実したこと」に合わせたもの。担当者は「映画のすばらしさを伝えようと、日本を代表する映画評論家だった淀川さんに登場してもらいました」と話す。没後16年がたっているが、それでも若い人たちにも知名度が高いことが起用の理由だ。
生前の淀川さんがテレビ出演などをした際の約420分の音声をもとに、「今」「無料で」「見放題」というように、単語をつなぎあわせて話しているようにした。CGでの再現については、「あえてなめらかにせず、カクカクした質感にすることで、『復活した』という感じを出しました」(担当者)という。また、顔を傾けたり、話す時にうなずいたりする仕草は、スタッフで話し合い、誰もがイメージする「淀川さんらしさ」に近づける努力をしたという。
「妖怪ウォッチ」にも登場?
CMはオンエアが始まったばかりだが、早くも反響が出ている。
「淀川長治さんや!!!なつかしい!」
「ポリポリゴンゴンした映像なのに、なんであんなに淀川さんなんだろうと思ったら、仕草か!泣かせるねえ...」
「懐かしくて涙出そう」
という声が相次いでツイッターに投稿されている。
また、人気ゲーム・アニメ「妖怪ウォッチ」の劇場版の予告動画の中でも、淀川さんを連想させるシーンがある。締めくくりに、眼鏡をかけた妖怪のキャラクターが「いやあ~面白そうですね、さいなら、さいなら、さいなら」と話す。
もっとも、「妖怪ウォッチを見ている子供は淀川先生を知らないと思うけどw」「こんなん今の子供には元ネタはわからんぞ」などとつっこまれている。