4人は「ブラックリスト」入り
中国当局の反応は総じて早かった。中国国家観光局は、12月13日に声明を発表し、
「これは個別の事例にすぎないが、全ての中国人のイメージを傷つけた」
として4人を非難。地域の観光両局に対して、4人の信用履歴を記録するように指示したことを明らかにしている。「ブラックリスト」入りだ。
国営英字紙のチャイナ・デイリーは12月15日の記事で、
「旅行前に、ガイドが旅先での振る舞いや、法律・ルール違反がもたらす結果について警告するのは重要。旅行業界にも個人の信用情報報告制度の早急な導入が必要だ。その情報は、ビザ申請の部署などで共有すべき」
という大学教授の声を紹介し、旅行者の履歴管理の重要性を伝えている。
チャイナ・デイリーは同日の社説でも4人の問題を取り上げ、事件を「野蛮人のような振る舞い」「非文明的なふるまいはどこでも受け入れられない。もちろん、機内でもだ」と表現した。
中国国家観光局の発表によると、国外に旅行する中国人の数が11月までに初めて1億人を突破。統計を取り始めた1998年の旅行者は843万人で、15年弱で11倍近く伸びたことになる。大半が香港、マカオ、台湾といった東アジアで、特に韓国と日本は前年比で4割以上伸びている。背景には富裕層の増加があるが、社説では一部の行動が中国人全体のイメージを傷つけることを警告している。
「失われた評判は、いくら払っても買い戻すことはできない。お金では、他の中国人旅行者に与えた傷を癒やすことはできない」