「ドアの隙間から録音する不審者だったので通報」
厳しい意見としては、「記者だったらなんでも録音していいのか」「ルール守らないなら出入り禁止処分でいい」「無許可のくせに何が『正当な取材活動』だよ」といった声が出た。
一方で、「取材用の録音で許可制?変なの」「警察を呼ぶのはやり過ぎ」と渋谷区側に批判的な声もあった。共産党の五十嵐千代子渋谷区議は、ツイッターで「取材していた記者への対応は、許してはならない」と指摘した。
なぜ警察まで呼んだのかについて、渋谷区の議会事務局次長は、取材にこう説明する。
「記者の方は、常識から外れた行動をしており、廊下にかがんだ姿で、委員会室のドアの下にある吸気口にボイスレコーダーを押し当てていました。職員が通りかかって声をかけたところ、当初は録音さえ認めず、きちっと返答をせずに立ち去ろうとしました。挙動不審だったので、110番通報したわけです。こうした不可解なことがなければ、警察を呼ぶことはありませんよ。録音については、盗み録りだと思っています」
東京新聞の記事では、こうした状況が書かれておらず、「自分たちの都合のよいことしか書いていません。公平・公正を掲げる新聞社の立場としては、いかがなものでしょうか」と疑問を呈した。東京新聞に対しては、記者のしたことに抗議する文書を12月12日に郵送したという。
庁舎内での録音に許可が必要な理由としては、「ほかに来庁者の方がおられますので、迷惑をかけないようにしてもらうということが基本的な考え方です」と説明した。記者の録音についても、「傍聴者がおり、運営の妨げにもなりますので、原則禁止にしています。申請があっても許可するかは、ケース・バイ・ケースです」と言っている。