国交省に「日本の空」の青写真はあるのか
ただ、そうした怨恨はさて置き、そもそも2社寡占に風穴を開けるため新規航空会社を育てるのが「国策」だったはず。エア・ドゥやスカイネットなどが経営不振から全日空の出資を受け入れる中、スカイマークは独立系の最後の砦だ。
同社の西久保慎一社長は2015年1~2月に第三者割当増資などで投資ファンドから最大25%の出資を受ける方針を明らかにしている。現在、西久保氏が議決権ベースで同社の約30%の株を持つ。新規出資を受ければ、西久保氏とファンドが同規模の株数を持つことになり、西久保氏としては提携に関わりなく経営の独立性を保つねらいがあるとみられる。そもそも西久保氏が日航との提携をまず考えたのは、日航がスカイマークへの出資を求めなかったためとされ、エア・ドゥなどを続々と傘下に収める全日空への西久保氏の警戒心は根強い。
自民党政権の継続が確実なだけに、日航との単独提携はあり得ないとの見方が強く、全日空との単独提携か、日航・全日空の「相乗り」になるか、国交省の判断が注目されるが、提携後の日本の航空行政の競争について、どのような青写真を描くのか、国交省の構想力も問われている。