民主党政権で「唯一の業績」が自民党には面白くない
日航は2010年1月に2兆3221億円の負債を抱えて会社更生法を申請、政府系ファンドの企業再生支援機構から3500億円の公的資金投入を受けて再建に取り組み、2012年3月期決算では過去最高となる1866億円の純利益を上げ、その9月には上場廃止からわずか2年7カ月で再上場を果たした。支援機構は全株を売却して3000億円の売却益を得て、約900億円を国庫に納付した。民主党政権で唯一の業績とも評されるが、これが自民党には面白くない。
特に、企業が赤字を出した場合に翌年度以降の黒字と相殺し、法人税が減免される繰越欠損金制度により、再建途上に巨額赤字を計上した日航は、数年間にわたり法人税減免を受けることが槍玉に挙がった。
そこで、国交省は、日航再上場の際、「公的支援によって競争環境が不適切にゆがめられることがあってはならない」とする確認文書を作成。2016年度まで日航の新規投資や路線開設を制限することになった経緯がある。文書には共同運航については書かれていないが、自民党からは「スカイマークとの共同運航は、実質的に日航の新規路線開設と同じ」との批判の声が上がり、太田昭宏国交相は11月25日の会見で「(認可に当たっては)健全な競争確保の観点から厳しく判断する」と、慎重姿勢を示していた。