組合の要求「丸呑み」は考えにくい
急激に進む円安は、輸出型の大企業にとって業績の押し上げ要因となるが、輸入型企業、中小企業の多くは、デメリットとなる。業界間、企業間の「格差」が広がる中、回答もばらつきそうだ。
要求が高すぎることも、交渉の難しさを予感させる。金属労協が掲げる「6000円」は1998年以来の高水準だ。2014年の春闘では、トヨタは4000円の要求に対し、回答は2700円。日立など電機大手の回答は、要求の半分の2000円だった。2015年の春闘も大企業を中心に、一定程度のベアを回答するとみられるが、経営側が組合の要求を「丸呑み」することは考えにくく、どの水準で着地するのか、アベノミクスの「弱点」である実質賃金アップとも絡んで注目を集めそうだ。