自分で対処すると、かえって悪化
鍵の修理、交換を行う「鍵」(東京都品川区)の広報担当者も「鍵穴に接着剤が入れられたという相談はめずらしくありません」と話す。いたずらでマンションの1フロアすべての鍵穴に接着剤が注入されていたこともあったという。
また、接着剤以外にも木の破片などが詰められるケースもあり、「砂などが自然に入ることもない訳ではないが、鍵が入らない、回らない場合は人為的な原因以外は考えにくい」という。
接着剤が入れられた場合、通常の鍵の開錠と比べて対処は容易ではない。専門の工具を使っても時間がかかり、「自分で何とかしようとして、かえって悪化することもありうる」(同広報)として、シリンダーごと交換する羽目になった人もいるようだ。
今回の事件ではNHKが女性宅の防犯カメラ映像を放送した。映像を見ると、わずか数秒の犯行で、かなりの「早業」だ。通りがかりを装えば、周囲の人にも気づかれにくい。
はたして防ぐことはできるのか。「鍵穴やドアノブごと覆うダイアル式の二重鍵をつければ、鍵穴を隠すことはできます。ただ、手間や費用の問題があり、その気になれば二重鍵にも細工することはできない訳ではありません。警察に相談したり、防犯カメラを組み合わせたりして、抑止力を高めることも考えた方がいいでしょう」としている。