収益力や資産規模では日生が強い
こうした事態について、日本生命の児島氏は「低金利の中でお客様のニーズが相当変化している。銀行窓口販売の差が大きな結果の違いになっている」と敗因を分析し、銀行窓口販売向け商品の品ぞろえを強化する考えを示した。さらに海外保険会社の買収についても、過度なリスクをとらず一部出資にとどめていた従来方針を転換。経営権を取得する「マジョリティ(過半出資)も含めてチャンスをつかみたい」と述べ、第一生命への対抗心をあらわにした。
生保業界では「日本生命はプライドをかけて年間首位を死守するだろう」(大手生保幹部)との見方が大勢だ。日本生命は過去にも、明治安田生命に第3四半期決算まで保険料等収入で抜かれながら、第4四半期で猛烈に巻き返し、年度を通じての首位を守り抜いたことがある。生保各社は「業界の『ガリバー』の日本生命を怒らせると怖い」(別の生保幹部)と下期の反撃を注視している。
売上高で首位を陥落したとはいえ、収益力や資産規模では日本生命の優位は変わらない。9月中間連結決算でも、本業のもうけを示す基礎利益は日本生命が3221億円と、第一生命の2273億円を1000億円近く上回っている。日本生命が売上高でも首位に返り咲き、最大手の座を不動のものにできるのか。来年3月末までギリギリの攻防が繰り広げられそうだ。