弁護士は、デモにも深刻な影響と指摘
在特会を巡っては、その言動の過激さから、ヘイトスピーチへの規制論議に発展した。警察でも、反対勢力とのトラブル事案を相次いで摘発しており、警察庁は3日、治安情勢の報告書の中で在特会を極右団体と名指しし、「違法行為の発生が懸念される」とまで指摘している。
今後もし、ヘイトスピーチを繰り返したら、同様な賠償責任を負わされるほか、警察の厳しい対応にも直面する恐れがありそうだ。
在特会にとっては、今後活動がやりにくくなるのだろうか。
前出の徳永信一弁護士は、活動がどうなるかは分からないとしながらも、一般論としてデモなどに深刻な影響が出かねないと指摘する。
「デモの参加者が、名誉棄損で高額の賠償を支払わなければならなくなれば、委縮してしまう効果が出ると思います。街頭での政治的表現で、例えば反原発デモでも、やりにくくなってしまうということですよ」
今回は、8人のうち4人が威力業務妨害などで有罪になる特殊なケースではあったが、徳永弁護士は「判決によって、取り締まりの理屈にされると心配しています。大衆運動への無理解があるのではないかと思っています」と言う。
一方、朝鮮学校側の弁護団事務局長をした冨増四季弁護士は、今回の判決によって在特会が弱体化するかについては分からないとしながらも、「判決の趣旨を踏まえて、個人の尊厳を守るようにしてほしい」と話している。