韓国で2018年に開催される平昌冬季オリンピックのそり競技が日本の長野市で開催する案が浮上している。仮に実現した場合、開催費用は韓国側が出すのか日本が負担するのか。
常識的には他国開催の費用は主催都市が負担するように思えるが...。
「条件が整わない限り、海外の諸都市とやるというのは難しい」
IOC(国際オリンピック委員会)は2014年12月9日、モナコでの臨時総会で、コスト削減のために競技を開催都市以外の国内の施設や、また開催国内以外でも国を跨いで実施できるとの改革案を採択した。これでぐっと現実味を帯びてきたのが平昌冬季オリンピックのそり競技を日本の長野市で開催するという案だ。
平昌五輪では競技場建設などが大幅に遅れていて、他国に支援を求めざるを得ない状況になっていると報じられている。また、他国との分散開催は20年の東京オリンピックでも可能性がある。韓国には「平昌と東京の五輪種目交換開催は検討に値する」(朝鮮日報)という報道もある。
東京都の舛添要一知事(66)は2014年12月9日に行われた記者会見で、IOCの採択について質問され、東京オリンピックについては他国での競技開催は現実的ではないとし、経費削減が狙いだとしても、
「海外でやるということですと、むしろ財政負担が重くなる可能性があります」
と一蹴した。
平昌五輪の長野市開催について聞かれると、
「長野で平昌のボブスレーをやったとします。誰が金を払うのですか。日本側が持つのか、韓国側が持つのか。こういう問題から考えないといけないので、相当条件が整わない限り、海外の諸都市とやるというのは難しい」
と回答した。さらに、
「韓国政府に対して、韓国の組織委員会に対して、もっと努力しなさいと、まだメーンスタジアムもできてない、スキー場も整備できていない、しっかりやれと言うのがIOCの仕事。安易に海外というのは如何なものかと思います」
と語った。
「基本的に費用は開催都市が持つことになります」とJOC
平昌の場合は長野市にある1998年に行われた五輪の競技場を使う事によって建設費などを浮かせることが狙いだ。ただ、現実には競技場の改築や選手、観客のための施設の建設・補修、インフラの整備などを行わなければならない。費用は韓国側が負担してくれるのだろうか。
長野市によると、平昌五輪の一部競技が行われるかもしれないという情報は報道で知ってはいるが、現場にはそのような打診は一切来ていないため、何の協議も準備についての話し合いも行われていない、とした。JOC(日本オリンピック委員会)でも平昌五輪の分散開催の話は来ていない、ということだった。費用の負担についてはやはり前例のない事であり分からないけれども、
「費用に関しては基本的にですが、開催都市が持つことになります」
ということだという。