機内での暴行事件では乗務員をいたわるコメント出したが...
こんな話もある。大韓航空では2013年4月、機内で韓国の大手企業役員が乗務員を暴行する事件が起きた。機内食に対する不満が爆発した末の乱暴行為だったが、この時趙副社長は社内の掲示板を通じて、乗務員をいたわるコメントを発表していた。2014年12月8日付のハンギョレ新聞日本語電子版によると、副社長は「乗務員の業務を妨害する行為を処罰できる法律条項も、これを機会に用意されるだろう」とまで書いていたそうだ。この時は同情を寄せていた乗務員に対して、今回は必要以上と思えるほど激高したのは不思議だ。
AP通信は12月9日付記事で、韓国の財閥企業に見られる同族経営の「負」の面を指摘した。「家族の一員がしばしば、株主や、創業一族と血縁関係にない幹部よりも強力な影響力を行使する」というのだ。ハンギョレ新聞も「オーナー家の帝王的な態度が問題の根にあるという批判」に趙一族がこたえなければならない立場にあるとした。さらに大韓航空社員の話として、一族が搭乗する際は乗務員が何時間も前に現場に到着していなければならず、制服の色まで指示されるとの「裏話」を明かしている。真偽は分からないが、経営者一族の「権力」を垣間見るエピソードだ。
今回の趙副社長の行為は法令違反の可能性もあるようだ。12月9日付の朝鮮日報日本語電子版は、韓国の市民団体が副社長を告発するとして、近く検察の調べる受けることになると報じた。今後も副社長にとどまれるかは分からない。