コンビニエンスストア業界で、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの上位3社による寡占化が加速している。
4位以下の下位チェーンは防戦に追われており、大手チェーンの再編観測がくすぶる要因にもなっている。
西四国を死守すべし
名古屋圏を主な地盤として全国展開する総合小売りグループ、ユニーグループ・ホールディングス傘下のコンビニエンスストアチェーン、サークルKサンクスは2014年12月1日、「サークルケイ四国」(松山市)を完全子会社化した。サークルケイ四国は、四国で170店、広島県で5店の計175店の「サークルK」を運営する会社。サークルKサンクスがこれまで35%の株式を保有していたが、残りの65%を地元資本の運輸会社から買い取った。取得金額は非公表。これは上位チェーンの攻勢に対し、四国でサークルKサンクスのブランドを維持するための必死の方策だ。
四国では2013年のセブン-イレブン進出と前後して、大手チェーンによる競争が激化している。サークルKサンクスは同年に香川、徳島両県で「サンクス」を展開していた運営会社がトップチェーンのセブン-イレブンにくら替えした経緯がある。100店近くを失うという「苦い経験」(ユニー幹部)だ。現在、サークルKサンクスの四国での展開は、「サンクス西四国」(松山市)が運営するサンクス80店などを合わせて計280店。言ってみれば、サークルKサンクスは四国で陣取り合戦に敗れた東側が薄く西側を死守すべし、という状況で、サークルケイ四国の完全子会社化も離脱を防ぐために先手を打った格好なのである。四国では中堅チェーンのスリーエフが来年春に高知県の店舗を2位チェーンのローソンにくら替えするという動きもあり、「仁義なき戦い」がなお進行中だ。