グラビアアイドルの磯山さやかさん(31)が女性向けファッション誌「AneCan」の専属モデルとしてデビューした。肩書きは「ぷにモデル」で、2014年12月6日発売の1月号から誌面に登場している。
姉妹誌「CanCam」がぽっちゃり体型の「ぷに子」を特集して話題になってから1年半余り。ムチムチ豊満キャラでおなじみの磯山さんが「ぷにモデル」となったことで、インターネット上では再び「ぷに子」と「デブ」の境界線に注目が集まっている。
女性陣の都合で広がる「ぽっちゃり」の幅
「AneCan」は蛯原友里さん(35)、押切もえさん(34)などスレンダーな人気モデルたちが活躍している雑誌とあり、専属契約の話を聞いた際は思わず「...ドッキリですか?」とつぶやいたという磯山さん。誌面に登場するのは初めてではなく10月号の「ぷにぷに"肉"ニット」企画では、「肉モデル」としてぽっちゃり体型にあった着こなしを披露していた。これが反響を呼び、今回の専属契約につながったそうだ。
5日のブログには「ぷにモデルらしく、専属モデルさんを見習いながらAneCanさんの決断した勇気、心意気に答えられるように頑張ります!!」と意気込みを綴っている。
磯山さんの起用を受け、インターネット上では「ぷに子」と「デブ」の違いを巡る議論が再燃することとなった。
「ぷに子」という言葉を初めて使ったのは「CanCam」13年7月号だ。「この夏、ぷに子がかわいい理由」という特集を組み、その定義を「身長155cmで体重52~64kg」と解説していた。だが、155cm・体重64kgのBMIは26.64。数値としては「太りすぎ」に分類される。
最近では「ぽっちゃり」の定義も揺らいでいる。13年3月に創刊したモデル全員が「ぽっちゃり体型」という異色のファッション誌「la farfa(ラ・ファーファ)」を見てみると、登場モデルのプロフィールには「身長158cm、体重86kg/B106、W91、H109」「身長159cm、体重119kg/B133、W127、H137」といった数字が並ぶ。同誌のイメージモデルを務めているお笑い芸人の渡辺直美さんも吉本興業の公称プロフィールでは、身長157cm、体重95kgだ。BMIは38.54で、157cmの標準22を大きく上回る。これでは「ぽっちゃり」の許容範囲を超えていると言わざるを得ない。
「ぽっちゃり界の希望の星」「どこがポッチャリ?」
このように、女性向けコンテンツの中では、「ぷに子」「ぽっちゃり体型」という聞こえのいい言葉が太りすぎの女性にまで使われることがしばしばある。
「スレンダー信仰」が根強い女性の体型だが、「ぽっちゃり」派の男性も決して少なくない。ネット通販「ポンパレモール」が14年6月に実施したアンケート調査では、10~30代の男性210人のうち約37%が「付き合うならぽっちゃり体型の女性」と回答している。
それだけに男性陣は、女性側の都合で「ぽっちゃり」という言葉を広範囲に使用し、「ぽっちゃりがモテる!」「ぽっちゃりブーム」などと盛り上げる傾向に不満を持っているようだ。インターネット上にも「勘違いしないで!」「混同されて困る」といった声が散見される。
その上で、今回「ぷにモデル」に起用された磯山さんはどうだろうか。起用をしった男性陣からは、
「世の女性方はこれが美しいスタイルだということに気づいてほしい」
「男が思う『ぽっちゃり』と女の思う『ぽっちゃり』の差が縮まることを祈る」
「磯山さんはぽっちゃり界の希望の星です」
といった声が相次ぎ寄せられている。まさに磯山さんは男性たちが求める理想のぽっちゃり像のようだ。一方では、
「この子のどこがポッチャリなん?」
「目の前で拝見した事がありますが、とても細かったです」
「この子がポッチャリとか、感覚がおかしいよ」
などと「ぽっちゃり」に含まれないとする意見も少なくない。2013年には「ぽちゃモテ!」という本を出版するなど、ぽっちゃり女子のイメージを確立している彼女だが、スリーサイズはバスト88cm、ウエスト60cm、ヒップ86cmであり、メリハリのある健康的な体というイメージが強いようだ。