茨城県内のとある美容室の男性店長が「一目惚れ」した女性客に対し、驚きの行動に出ていたことが明らかになった。女性客が予約に使った「ホットペッパービューティー」を介して個人情報を入手し、無料メールアプリ「LINE(ライン)」で連絡を取ったというのだ。
2014年12月8日、女性客がLINE上のやりとりをインターネット上で公開したところ、大騒ぎに。すぐに店名や氏名などが特定されることとなった。
「可愛かったのでlineしちゃいました(笑)」
ツイート内容から経緯をたどると、この女性は「ホットペッパービューティー」で予約し、同店を訪れた。この日にメンバーズカードを作っていることから、どうやら初めて利用した店だったらしい。
施術を担当したのは、男性美容師。「やたら褒めてきた」そうで、帰り際には連絡先まで聞かれたという。女性が断ると連絡先を押しつけてきたというから、美容師はよほど好意を持ったのだろう。少し強引とも思える行動だが、ここまでならば女性客が次回利用しづらくなるというだけの話だ。
しかし、美容師は思い募ってか「禁じ手」に出てしまった。ホットペッパービューティーの登録情報を使って、女性の「LINE」アカウントにメッセージを送ったのだ。
「ごめんね。●●ちゃん(伏字部分は名前)可愛かったのでlineしちゃいました(笑)髪型いかがでしたか?」
女性は連絡先を教えていないにもかかわらず、このようなメッセージが届いたことを不審に思い、「わたし昨日番号教えましたっけ...?」と質問した。すると、美容師はハイテンションでこう返した。
「連絡くれてありがとう☆本当嬉しいです。正直言いますね ●●ちゃんに一目惚れしました 少しずつお互いに知り合っていきたいたいです(原文ママ)。なのでどうしても●●ちゃんとつながりたくて、連絡しちゃいました。ごめんなさい。迷惑だったかな?(笑)」
女性が「いや迷惑というか、わたしから教えてないのになんで連絡きたのかなって不思議に思って(笑)」と戸惑い気味に答えると、美容師はホットペッパーの情報を使って連絡したことを明かした。「本当は解雇になっちゃう事だから秘密ね(笑)」と問題行為であることは分かっているようだが、二言目には「第一印象俺どう見えた?(笑)」と続けており、危機感は感じられない。
これに女性は激怒。「失礼ですが客の個人情報使って連絡してきたことを笑って流せるとお思いですか?」と返し、本社に報告すると伝えた。
本社「弁護士を入れて対応中」
問題行為はインターネット上でも注目を集め、すぐに美容室や美容師が特定された。公式サイトやホットペッパービューティー上にあった情報によれば、男性は美容師歴11年で同店の店長だという。
J-CASTニュースが9日、本社に取材したところ、担当者は「今回の一件についてはすでに把握しており、弁護士を入れて対応中です」とコメント。店長の処分などについては「回答できない」とした。店舗のホームページから店長の写真と名前が消えていることなどについて美容室に問い合わせてみたが、こちらでも回答を得ることはできなかった。ただし店長は不在で「しばらくお休み」とのことだった。
インターネット上には「ホットペッパーの個人情報って簡単に抜き出せるものなの?」「ホットペッパー炎上案件だ」といった声も寄せられていた。「ホットペッパービューティー」のサイトによると、ネット予約によって美容室に伝わるのは「氏名」「電話番号」「メニュー、クーポン情報などの予約内容」「生年月日」の4点だという。美容師はここで得た電話番号を自身のアドレス帳に登録してラインと紐付け、手動で「友だち」に追加したとみられる。
なお、女性のツイッターアカウントは9日時点で非公開となっているが、8日には美容室の男性2人が自宅に謝罪に訪れたとツイートしている。母親が対応したようで、その中に店長がいたのかどうかは分からない。ホットペッパーの提供情報に「住所」は含まれていないことから、今度はメンバーズカードの登録情報を見て家を特定したのだろうか。