「(韓国・平昌冬季五輪の)そり競技の日本での開催を協議」――財政難による準備の遅れで、「一部競技の日本開催」の可能性も指摘されていた平昌冬季五輪(2018年)をめぐり、こんな具体的な報道が出てきた。
同様の報道が複数続いたことを受け、ツイッターなどでは「(韓国に)協力しても、しなくても、文句を言われます」といった反応が相次いで寄せられた。これまでのところ、否定的な声が目立つ。その後、日本との分散開催について、「検討もしていない」とする同五輪組織委員会による否定コメントも報じられたが、準備の大幅遅れから「五輪返上」論もささやかれる中、「日本との分散開催」については、今後も論議を呼びそうだ。
「検討していない」報道も
2014年12月7日未明、共同通信は「そり競技の日本での開催を協議 18年平昌冬季五輪組織委員会」との見出しで、現地の大会組織委員会が、ボブスレーなどのそり競技について、「1998年長野冬季五輪で実績のある日本で開催することを視野に国際競技団体と非公式に協議している」ことが分かった、と報じた。
その後ほどなくして、「平昌五輪のそり競技、日本開催検討=ボブスレーなど長野か」(時事通信)、「平昌五輪、一部国外開催か IOC助言、長野の可能性も」(朝日新聞)などのニュースのネット配信が続いた。関連する海外報道もあった。
一方、7日朝には、時事通信が「日本分散開催『検討していない』=平昌冬季五輪組織委」として、聯合ニュースの報道内容を紹介した。現地組織委の広報局長が、ボブスレーなどの施設の工事を始めていると指摘し、「日本との分散解散は検討もしていない」と述べたとする内容だ。
ツイッターでは、上記の「協議」「検討」ニュースの方に注目が集まり、
「協力しても、しなくても、文句を言われます」
「どこまでお人よし? 反日国家だぞ!!」
「絶対に韓国とは関わるな。必ず文句を言われる」
などと、「お断り」の声が続々と寄せられた。
中には2002年に行われた日韓で共催した、サッカーのワールドカップに言及する人もおり、
「JOCは大失敗だった日韓ワールドカップの『悪夢』を最低100回復習してください」
と指摘する声もあった。
共同開催は本当に可能なのか
一方で、こうした否定的な反応に対し、
「情けないですね」
と嘆く声も一部で見られた。同じ「つぶやき」では、日韓共同開催は、本来なら観光資源をアピールできるよい機会としつつも、現状では「混乱が大きく実施しない方が賢明」だと指摘している。
実現する、しないは別にして、「共同開催」は本当に可能なのか。IOCは12月8日から始まる臨時総会で、改革案「五輪アジェンダ2020」を審議する。同案には、一部競技の国外開催を認める項目も含まれている。
ところで、案が承認された場合、「2020」年より以前の「2018」年開催の平昌冬季五輪にも適用できるのか。7日未明の時事通信記事では、承認されれば「平昌五輪のそり競技を日本で開催することに支障はなくなる」と指摘。一方、先の共同記事によると、現地組織委の広報局長は「2020年の東京五輪から適用されると理解している」との見解を示している。
日本との分散開催はあるのかないのか、まだ予断を許さない状況のようだ。