遺伝子資源を活用ルール定めた名古屋議定書 日本は批准が遅れ、ビジネス上マイナスに

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「合成生物学」の扱いが議論になる

   また、議定書発効に合わせて韓国・平昌で開かれた同条約の第12回締約国会議(COP12)と名古屋議定書の第1回議定書締約国会合では、DNAやたんぱく質といった生物の構成要素を人工的につくり出し、新たな生物や生命機能をつくり出す「合成生物学」の扱いが議論になった。新薬の開発などへの応用が期待されている分野だが、これで生み出された生物などが、生物多様性や人の健康などにどう影響するかといった点はまだよくわかっておらず、どのようなルールを設けるかが、次の国際的な課題とされる。先進国間、また先進国と途上国の間で見解が分かれるテーマだが、日本は議定書を批准しない限り議定書締約国としての議決権はなく、発言権も限られ、「周回遅れ」になりかねない。

   政府は今のところ、2015年までに批准に向けた国内体制を整備すると決めている。具体的には環境省が関係業界や学術界と調整して運用ルールを定めることになるが、一刻も早い批准が求められているのは間違いない。

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