「意地悪が売りものの週刊新潮も、ワイドの記事にすらしない」
だが週刊誌は全く記事化せず、長女が提訴しても状況は変わらない。この状況を林さんは「この言論統制はなんなんだ!」と憤り、具体的な媒体名を挙げて批判した。
「意地悪が売りものの週刊新潮も、ワイドの記事にすらしない(百田氏の連載が終わったばかり)。週刊文春も一行も書かない(近いうちに百田氏の連載が始まるらしい)。あと講談社が版元の週刊現代は言わずもがなである。週刊ポストも知らん顔。こういうネタが大好きな女性週刊誌もなぜか全く無視。大きな力が働いているのかと思う異様さだ」
林さんが指摘している「講談社が版元の週刊現代言わずもがな」とは、「海賊とよばれた男」「永遠の0(文庫)」といった百田さんのベストセラーが講談社から出版されていることを念頭に置いている。講談社に限らず、出版社がベストセラー作家を批判できない「作家タブー」の存在を指摘しているわけだ。
そして、林さんはこう喝破する。
「私は全週刊誌に言いたい。もうジャーナリズムなんて名乗らない方がいい。自分のところにとって都合の悪いことは徹底的に知らんぷりを決め込むなんて、誰が朝日新聞のことを叩けるであろうか」
林さんは、すでに作家の中では「大御所」として知られる。週刊文春の誌面で同誌を含む週刊誌批判が可能なのは、皮肉にも林さんも「作家タブー」に守られているが故だという見方もできそうだ。また、朝日新聞の「池上コラム問題」もあって、「大家」の辛口のコラムは、仮に自社媒体への批判があっても掲載せざるをえない雰囲気になっているのかもしれない。