韓国平昌冬季五輪、準備がベタ遅れ 「日韓共催の可能性」まで囁かれる

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   韓国江原道・平昌で予定されている2018年冬季五輪の開催に、不安が漂っている。競技場建設などに必要な巨額の財政負担がネックとなり、準備が大幅に遅れているようだ。

   今夏には、招致を成功に導いた五輪組織委員長が1年以上の任期を残して辞任。国を挙げて取り組む姿勢が必要だが、体制が一枚岩とは言えない状況に「返上論」まで飛び出している。

メーンスタジアム建設を巡り政府と自治体が対立

冬季五輪は開催地の費用負担が大きい(写真はイメージ)
冬季五輪は開催地の費用負担が大きい(写真はイメージ)
「平昌は2018年の五輪を諦めるのか」

   韓国の英字紙「コリアタイムズ」電子版は2014年12月2日、こう題した記事を掲載した。開催地の地元、江原道議会は、韓国政府の十分な支援が得られなければ五輪を返上すべきとの強硬な意見を突き付けているという。

   五輪のメーンスタジアム建設に関して、政府は50%の負担を決めた。韓国の「五輪特別法」では、競技施設の新設や改修にかかる費用の割合は政府が75%と定められている。しかし政府は、スタジアムが開会式と閉会式にしか使用されないため主要施設と認めず、同法の適用範囲外との立場だ。これに江原道側が反発し、足並みが乱れている。

   韓国の主要紙「中央日報」日本語電子版は10月16日付で、平昌冬季五輪の準備不足を指摘した記事を配信した。開幕まで残すところ3年あまりの段階で、現地では「競技場建設のための最初のスコップも入れていない場所がある」と指摘する。実は平昌でのメーンスタジアム新設を取りやめて、同じ江原道の別の都市、江陵にある総合運動場を改修して活用する案が浮上していた。だが記事では「出入り口と聖火が入る場所はもちろん、オリンピックプラザなどの附帯施設が入る空間がなかった」と、代わりができないとの判断だ。開催地である平昌の強い反対もあり、自治体や住民間の対立をあおる格好となった。

   平昌五輪の総事業費は、2011年の五輪誘致時点で6993億ウォン(約749億円)だったが、物価上昇率などを考慮すると8200億ウォン(約878億円)まで膨れ上がる可能性があると、同紙は予測する。2014年に開かれたロシア・ソチ五輪では総事業費5兆円とも言われた。比較すればずっと低く抑えられてはいるものの、自治体にとっては決して軽い負担額ではない。

   実際に冬季五輪は、施設の整備だけでなく雪不足対策も求められる。ボブスレーやリュージュ用に特別なコースもつくらねばならず、費用がかさむ。現在選考が進んでいる2022年冬季五輪開催地に立候補していたノルウェー・オスロは、財政負担が大きすぎるとして2014年10月に招致活動から撤退した。

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