不衛生な寄宿舎、規則違反に制裁金、他の実習生との交流禁止...
とはいえ、川上村のレタス農家が、外国人技能実習生に過酷な労働を課したり、賃金を満足に支払わなかったりする、「ブラック農家」との評判はくすぶっていて、実際に奴隷のように扱われていたと訴える外国人実習生はいたようだ。
日本弁護士連合会は2014年12月1日、川上村でレタスの生産などに携わった中国人実習生が書いたとされる、人権侵害を訴える投書をもとに独自調査した結果を公表した。
それによると、中国人実習生を長時間かつ休日の少ない厳しい労働環境と、狭く不衛生な寄宿舎が多いなどの厳しい生活環境に置いていたことや、他の農家の実習生との交流を禁止するなどの規制を設け、それに違反すると制裁金を科したり、預貯金を自由に引き出せないようにしたりと、実習生が逃亡や権利の主張を事実上できないようにしていた、と指摘。川上村農林業振興事業協同組合はそれを黙認していた、と断じた。
中国人実習生からの投書や相談は地域の労働組合などにも寄せられており、こうした実態が受け入れ停止処分につながった可能性はあるかもしれない。
インターネットでは、
「おかしいと思ったんだよ。俺も農業やってるが、今の日本で専業農家で2500万円なんて考えられないもの」 「広い土地があって人件費ゼロで高い高いレタスをつくれば、年収2500万円はいくだろ」 「移民は人手不足を補うためにやむを得ずみたいなことを言っておきながら、実際は給料をピンハネして経営者連中が儲けたいだけじゃん」
といった批判が多く寄せられている。
もっとも、
「日本人がおなじ条件で働かないんだから、外国人実習生を使うのは仕方ない。必要悪だろう」
と、擁護する声もみられる。