サッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督が窮地に陥っている。依然として追及が続く、スペインリーグ監督時代の八百長疑惑に、これまでは擁護の姿勢を見せてきた日本サッカー協会(JFA)もついに事情聴取に動き出すようだ。
刑事告訴となれば退任は必至。一部サポーターは早くも「ポスト・アギーレ」を話題にしている。
15年1月にはアジア杯が迫る
疑惑が向けられているのは11年5月のリーガ・エスパニョーラ、レバンテ―サラゴサ戦だ。残留がかかるサラゴサのアギーレ監督や選手らに、当時の会長イグレシアス氏から不透明な入金があったとスペインの地元紙が報じている。
スペイン検察庁の反汚職局は14年10月初旬からイグレシアス氏らへの事情聴取を進めている。日本にいるアギーレ監督は聴取こそ受けていないが、スペイン紙「マルカ」はアギーレ監督を含む、30人以上が刑事告訴される見通しだと報じている。
こうした動きを受け、JFAの原博実専務理事は2日、各紙の取材に対し、「もし法的な動きがあれば話を聞くことになる」と述べた。これまでは「無実だ」というアギーレ監督を擁護する姿勢が目立ったが、ついに事情聴取に動くようだ。すでに霜田正浩強化担当技術委員長が情報収集に動いているという。
現在、アギーレ監督は視察のためヨーロッパに滞在中で、予定通りであれば4日に来日。このタイミングで協会から事情聴取を受ける可能性もある。
原氏が言うように「法的な動き」があった場合、どうなるのだろうか。「フットボールレフェリージャーナル」を運営するサッカージャーナリストの石井紘人氏は、
「有罪ということになれば辞任は避けられないでしょう。仮に刑事告訴を受けるだけでも、風当りが強くなることを考えて、協会が退任させる可能性はあります」
という。
刑事告訴を受けた場合はスペインでの裁判に出廷しなければならないが、15年1月にはオーストラリアで開催されるアジアカップが控えている。「もし、大会前に監督不在という事態になれば、協会はアギーレ監督の退任を決めるかもしれません」と石井氏は語る。
また、原氏自身への責任も追及される可能性はある。石井氏は「原氏はアギーレ氏を代表監督に就任させた中心的人物。専務理事という立場からも責任追及は免れないでしょう」と言う。