お笑い芸人のカンニング竹山さんが東日本大震災の被災地となった福島県を訪れ、復興の様子をツイッターでレポートしたところ、その竹山さんのツイートを捏造した「まとめサイト」が登場しているとネットで騒ぎになった。
「まとめサイト」を作った人物はかねてから反原発を訴えていて、まるで竹山さんが反原発のために福島を訪れ、街の悲惨さを嘆いているかのような細工がなされたのだ。これを知った竹山さんは、ツイッターで「思想に都合よく僕のTweetを使うのはやめて下さい。迷惑です」と激怒した。
カンニング竹山氏「福島の放射能汚染は深刻。 復興なんて程遠い」
竹山さんは震災以降に何度も被災地を訪れている。本人ははっきりとは明かしていないが、被災地の現状を心配し、自分が訪れることによって少しでも元気づけることができれば、という気持ちが伝わってくる。2014年11月30日付けのツイートでは、南相馬市に日帰りで行ったことを報告し、現地の美味しいと評判のラーメン店や、新しく「子育て応援カフェ」ができた、などと紹介したり、現地産の野菜を買った写真もアップした。一方で、
「南相馬の原町地区は店もいっぱいで人も車もいっぱいで日曜なのもあり活気がありました! しかし車で10分~15分走ると未だこうなってます」
と、復興とはまだまだかけ離れてる現実を写真に収めた。封鎖されている道路や、立ち入りが禁止されている学校などの写真も複数アップしている。最後に竹山さんは、
「しかし!それでも南相馬の皆さんは頑張っている!道の駅は綺麗です」
「なんかわからんが、やってやるよ! 負けね~よ!と言う感情です! まだまだ震災被害は終わってません。機会があれば皆さん是非!以上福島県南相馬市から竹山レポートでした」
と、ガッツポーズをしてみせた。素敵な旅ができたとの感想も漏らした。
ところが翌日の12月1日、ツイッターまとめサイト「Togetter」にこんな見出しが躍る事になってしまった。
「【正論】カンニング竹山氏『福島の放射能汚染は深刻。 復興なんて程遠いのが現実』」
まとめサイトは竹山さんの11月30日付けツイートの写真や文章を使って、あたかも竹山さんがそう考えているかのように装い独自の主張をしてみせたのだ。とくに見出しとなった「福島の放射能汚染は深刻。 復興なんて程遠いのが現実」は、竹山さんのツイートにはない、作者のつくった言葉だった。
あたなの思想に都合よく僕のTweetを使うのはやめて下さい
まとめサイトでは、竹山さんの写真を使ってこんなことが説明された。
「結局、これが原発という産業の真実なわけです」
「カンニング氏が報告してくれているような惨状を目の当たりにしてもまだ『原発を使っていこう』 と性懲りも無く繰り返している原発賛成派の皆さんの感性を疑ってしまいます。(中略) それでもまだ皆さんは原発再稼働に賛成しますか?」
これに対しツイッターユーザーたちは「捏造だ!」と騒ぎはじめ、まとめサイトの制作者に対し、
「確認したいんだけど、カンニング竹山氏が『福島の放射能汚染は深刻。 復興なんて程遠いのが現実』ってどこで言ってるんですか?」
「南相馬の野菜を買ったところはなんでまとめないの?頭おかしいの?」
「有名人本人が言ったかのように語るのはかなり悪質なデマゴーグの部類ではないでしょうか?これって『裁判沙汰』になる可能性がありますよ」
などと批判が殺到した。
竹山さんは12月1日に自分のツイッターが使われたこのまとめサイトへのリンクを貼り、
「すみません、あたなの思想に都合よく僕のTweetを使うのはやめて下さい。迷惑です。(原文ママ)」と怒りを爆発させた。竹山さんの抗議に反応したからなのか現在、竹山さんに関する今回のまとめサイトは削除されたようで、「Togetter」のキャッシュでしか見ることができなくなっている。こうしたことを受けて「Togetter」ユーザー達は現在、竹山さんのまとめサイトを作った人物は他の有名人に対しても同じ行為を何度も働いている、などと告発し、「Togetter」にその人物がこれまで行った行為のまとめを作成していて、警戒を強めている。