わめき散らし卵投げつけボンネットに寝転がる 産経前支局長裁判で韓国団体「暴挙」の一部始終

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   韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つける記事を書いたとして在宅起訴された産経新聞前ソウル支局長の初公判で、終了後に「場外戦」が発生した。韓国の保守系団体の男たちが前支局長の車を取り囲み、騒ぎを起こしたのだ。

   叫び声をあげて謝罪を要求、車に卵を投げつけボンネットに寝転ぶなどやりたい放題。強力な制止は見られず、約10分間にわたってほぼ「野放し」状態だった。

制止が入ったのは、3分ほどたってから

公正な裁判は維持されるだろうか(写真はイメージ)
公正な裁判は維持されるだろうか(写真はイメージ)

   産経新聞前ソウル支局長・加藤達也氏の車がソウルの裁判所を出る際、複数の韓国人男性が進路をふさいで抗議の声を上げた。その一部始終を、インターネット上で確認できる。国際ジャーナリスト・木村正人氏が2014年11月30日にブログで動画を公開したのだ。現地で裁判を傍聴した笹山大志氏が撮影したものだという。

   加藤氏が乗った黒塗りの車が、裁判所の敷地内で止まっている。その周りを複数の男性が囲み、「カトー、カトー」と大声で呼びつける。そのうち大声で何か叫び始め、数人が車に向かって生卵を投げつけた。あまりに勢いよくぶつけたため、ほかのメンバーにも卵が飛び散る始末だ。その様子を写真や映像に収める人たちも少なくない。地元メディアのようだ。

   次に、ハングルで何やら書かれた紙を、車内の加藤氏に見えるようにフロントガラスに張り付けた。眼鏡をかけた小太りの男がこぶしを振りかざして音頭をとると、加藤氏を糾弾し謝罪を求めるシュプレヒコールが上がった。興奮したのか、車体を手でドンドンとたたく男もいる。

   制止が入ったのは、動画が始まってから3分ほど経過した時点だ。車の前で「通せんぼ」をしながらわめき続けるふたりの男に、車の進路を開けろと割って入る男性が3人ほど出てきた。腕章や、腰に拳銃らしきものを差しているところから、制服姿ではないが警官ではないだろうか。

   これでようやく車がゆっくり前進を始めたが、今度は胸元に韓国旗、背中に団体名と思われる文字入りのおそろいのジャケットを来た男数人が車の前に座り込んで妨害、さらにボンネットにわざとらしく寝転ぶ男も出てきた。別のメンバーがその後も卵を投げつけ、侮蔑的な言葉を車に浴びせる。前方では大声での「演説」が続く。

   結局、車が完全に解放されたのは動画が始まって10分ほどたってからだった。

加藤氏、男らを監禁、脅迫、暴行などの疑いで地元の警察に告訴

   動画では、いったん警官らしき数人が男たちを立ち退かせようとしたものの、「座り込み」を始めて以降は強制的に排除する気配はなかった。少なくとも卵投げや、加藤氏にわめき散らす行為を制止した様子は見られない。10分間も車の周りで大声を出され、モノを投げられ、車体をたたかれれば恐怖を感じずにはいられないはずだ。加藤氏は、身体的に危害は加えられなかったとはいえ、精神的なダメージは大きいだろう。もっと早い段階で、警官はこうした妨害行為にストップをかけられたのではないだろうか。

   動画を撮影した笹山氏は、先述の木村氏のブログに裁判の様子も寄稿している。傍聴席には5人ほどの男が、「加藤達也 即刻拘束」と書かれた紙を広げ罵声を浴びせたという。男たちはいったん退廷を命じられたが、その後入廷が認められたそうだ。しかも、加藤氏に抗議する紙は掲げ続けていたという。「日本では公正な裁判を受ける権利を侵害するこうした行為は認められていない」と指摘した。

   韓国主要紙の報道によると、騒ぎを起こしたのは韓国の保守系団体「ハンギョレ青年団」の構成員とみられる。加藤氏は12月1日、男らを監禁、脅迫、暴行などの疑いで地元の警察に告訴した。

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