衆院選への出馬を見送った維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)が、テレビの党首討論で独自の存在感を見せている。
与野党の多くがアベノミクスの是非を争点とするなか、橋下氏は公務員や議員給与の削減を主張。その矛先を与党のみならず民主、社民といった野党にも向けられており、「やっぱり維新の党のような起爆剤になるような勢力が必要」と主張した。
橋下氏は市長としての公務の関係で都内の討論会に出席が難しい分、得意とするテレビ出演で「公務員・議員給与、議員定数削減」を強調、一点突破を図りたい考えのようだ。
「改革を断行するためには自民党民主党公明党だけでは絶対できない」
維新はマニフェスト(政権公約)の表紙に「身を切る改革。実のある改革。」と掲げ、他党と比べて議員定数と歳費削減の優先順位を高く設定している。これはテレビ番組での橋下氏の発言にも反映されている。
2014年11月30日朝にフジテレビで放送された「新報道2001」では、各党が冒頭発言で、
「安倍さんの2年間によって一部の人は豊かになったかもしれないが、圧倒的多数の国民が苦しくなった」(民主党・海江田万里代表)
などとアベノミクスの批判をする中、大阪から中継で出演した橋下氏は、
「国民の皆さんに負担を求める時代に突入する。そうなると、まずは政治家が身を切らないとダメですよ。自民党と公明党は過半数あるわけですから、国会議員の給与の削減やったらいいじゃないですか。国会議員の定数削減、すぐやったらいいじゃないですか」
と独自路線だ。
大阪市で市営地下鉄・バス、ごみ収集などの民営化を自民、公明が反対していることについても、
「改革の断行を止めているのは、自民党と公明党なんですよ!」
「ですから、改革を断行するためには自民党民主党公明党だけでは絶対できない。やっぱり維新の党のような起爆剤になるような勢力が必要になる」
などと声を張り上げた。