自治体間の税収格差調整もストップか
政府・与党が2015年度からの実施を検討しているビール系飲料にかかる酒税の格差縮小にはプラスの影響も指摘される。ビールにかかる税額を引き下げる代わりに、ビールより税額の少ない第3のビールなどを引き上げて「平準化」しようというものだ。消費税増税と時期が重なれば「庶民向け低価格飲料へのダブル増税」との批判が出る懸念もあったが、消費税アップが先送りになり、「ビール類の課税見直しの単独実施なら、消費者の理解を得やすい」(財務省筋)というわけだ。ただし、低価格の第3のビールなどの価格上昇を招く「平準化」自体への反発は根強く、すんなり決着するかは、予断を許さない。
同じく消費税引き上げに連動して2015年度に改正されるはずだった自治体間の税収格差を調整する仕組みの具体化もストップだ。
消費税の一部は「地方消費税」(現行1.7%分、消費税率10%時で2.2%分)として自治体に配分され、消費の多い東京、大阪など都市圏ほど財源が増えることになる。そこで、政府・与党は、消費税よりも自治体間の偏りが大きい地方法人税を国が一度受け取り、一部を税収の少ない自治体に回すなど、新たな財政調整の仕組みの導入を検討していた。自治体間の利害が錯綜する難しい議論だが、来年以降に先送りになる。