アルコール飲料の売り上げが収益性に結びつく
どうやら日高屋の好調ぶりが、「ちょい飲み」ニーズを取り込んだことにあるのは間違いないようだ。
一般に、居酒屋などはアルコール飲料こそが「儲けの源泉」といわれる。原価率が低く、購買点数が多くなりやすいためで、アルコール飲料の売り上げがそのまま店舗の収益性に結びつく。
日高屋をけん引するのもアルコール飲料。中華料理店などの売り上げに占めるアルコール飲料の割合は3%ほどとされるが、ハイデイ日高によると、日高屋のそれは14~15%にものぼるという。
「(ちょい飲みは)日高屋の特徴であり、そのスタイルを変えたことはありません。おそらく、中華とお酒の相性のよさがあるのだと思います」と話す。売り上げも、「最近少し伸びたかな、といった感じです」とのことだ。
経営コンサルタントの大関暁夫氏は、「日高屋はメニューに、ビールにあったおつまみを用意するなど、『ちょい飲み』ニーズを捉えるのが早かった。いわば、火付け役ですね。その分、先行メリットが大きいといえます」と、好調の要因を話す。
加えて、「そもそも、低価格のメニューで多店舗展開する外食チェーンは、経営がむずかしい。以前、神田正社長(現会長)がインタビューで、『適当においしく、適当に安いのが成功のヒケツ』と話していました。何事も過剰にならず、多少のコスト増を吸収できる余地をつくっておく経営ということを表したのだと思います」。大関氏は日高屋の強さがそこにあるとみている。