タカタ製エアバッグ問題が追い討ち?
ホンダ変調の「芽」は、海外にもある。
得意としてきた中国や、インドネシアは「他社との競争が激しくなっている」(ホンダ)ため、販売計画を下方修正。世界販売で21万台を減らしたうち、10万台が日本国内、10万台が中国、1万台がインドネシアを占めた。「米国でも値引き競争で厳しい状況が続いています」という。
これに、米国でのタカタ製エアバッグの欠陥が追い討ちをかけた。タカタ製エアバッグはホンダだけの問題ではないが、報道の過熱ぶりをみるとかつての「トヨタの大規模リコール」が思い起こされ、その影響は小さくない。
加えて、ホンダは米国で2003年から10年以上にわたって死傷事故などの報告を怠っていたことを、2014年11月24日に明かした。その件数は、8件のタカタ製エアバックによる事故を含め、1729件にのぼる。
ホンダにとって北米市場は収益への依存度も大きく、文字どおり「ドル箱」だ。とはいえ、これらの影響による信頼低下は避けられそうにない。
前出の、ホンダの2014年10月の生産・販売実績によると、海外生産も0.6%減と9か月ぶりに減少。これにより、世界生産も4.0%減となり、15か月ぶりに減少した。
リコールなどの影響がじわりと生産や販売に及んできたのではないのか――。同社は、「(リコールの影響かどうかは)判別できていません」と話す。
一方で、中間決算の発表時に下方修正した販売目標は、タカタ製エアバックのリコールの影響は反映されていない。そのため、さらなる下方修正の可能性もあるが、同社は「現時点で決まったことはありません。今後の状況をみて判断していきます」と話している。