「モーニング娘。」の道重さゆみさんが2014年11月26日に横浜アリーナで行われたコンサートを最後に、グループを卒業した。
翌日のスポーツ紙では大きく報じられるかと思われたが、各紙1面や最終面での記事はなんとゼロ。日本を代表するアイドルグループのリーダーの卒業にしては、少々寂しい最後となってしまった。
雑報扱いのスポーツ紙も...
道重さんは02年に約1万4000人が応募したオーディションを合格し、モー娘。に加入。12年には8代目リーダーに就任した。在籍は4329日と歴代最長、名実ともにグループを支えたリーダーだった。多くのファンが詰めかけた卒業コンサートは大盛り上がりし、大団円を迎えた。
しかし、卒業公演が行われた翌日のスポーツ各紙で、その扱いは決して大きくなかった。各紙の1面や最終面に記事はなく、芸能面でもかなり小さい「雑報」扱い。ネット上には「スポーツ紙の扱いは小さいな」「扱いがNY公演の時より小さいんだが」と不満が書き込まれた。27日朝に放送された各局の情報番組でも、扱いの小ささは同様だった。
そもそもタイミングが悪かったのかもしれない。この日は「NHK紅白歌合戦」の出場者発表や、女優の北川景子さんと歌手のDAIGOさんの熱愛、羽生結弦選手のNHK杯出場決定など、大きな芸能・スポーツニュースが多く、「道重卒業」は隅に追いやられてしまった形だ。
世間の注目が集まった紅白でも、道重さんの卒業に合わせたサプライズ選出があるかとファンは期待したが、残念ながら落選。発表会見に出席した記者によると、同じく落選組のゆずやaikoさん、浜崎あゆみさんに関する質問は出たものの、モー娘。の名前は最後まで話題に上がらなかったという。
ファン「ニュースになった、ならないだけが重要ではない」
はたしてモー娘。ファンはどう思っているのだろうか。
関東に住む20代男性は取材に対し、「レジェンドとも言える彼女の卒業はもうちょっと大きく扱ってほしかった」と残念がる。彼女の功績について、「モー娘。人気が陰っていた時期も先頭に立ってみんなを引っ張ってきた存在。リーダーになってからは、それまでの『ぶりっ子』キャラからしっかり者に変わって、重要な役割を果たしてきた」と称えるだけに、紙面の扱いの小ささは少々不満なようだ。
一方で、「ニュースになった、ならないだけが重要ではない」ともいう。卒業コンサートで道重さん自身が「さゆみのファンの人たちは変な人が多い」と語ったように、「本来は万人受けするタイプではない」そうだ。そのため、このファンは「道重さんを送り出せた、感動をもらった、活動を見届けられた、という気持ちをファンたちの間で共有できたならそれで十分です」と語っている。
確かにスポーツ各紙の扱いは小さかったが、ネット上では道重さんの卒業を惜しむ声があふれている。こうしたファンの声を受けてか、道重さんも27日のブログで「夢のような時間を12年間も過ごせただなんてっ やっぱりさゆみは幸せ者です」と感謝の言葉をつづっている。