「アナ雪」ことディズニー映画「アナと雪の女王」をめぐる歌姫の「対決」に、一応決着がついた。「アナ雪」では主題歌「Let It Go(レット・イット・ゴー)~ありのままで~」をエンディングでMay J.(メイ・ジェイ)さん(26)、劇中歌として松たか子さん(37)計2人が担当し、2014年夏前から「紅白では松さんバージョンを聞きたい」「May J.バージョンがいい」「二人でコラボしてほしい」といった議論が絶えなかった。
2014年11月26日にNHKが発表した初出場5組にはMay J.さんが含まれ、紅白で「アナ雪」関連の歌が披露されるのは確実だ。ただ、松さんの出演について、NHKは「全部、決まった段階でお知らせしますので...」と話しており、今後「企画枠」で出演する可能性に含みを残した。
判断基準は「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」
制作局エンターテインメント番組部の三溝敬志(さみぞ・たかし)部長は、出場者選びの判断基準として「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」の3つを挙げた。May J.さんもこの基準に当てはまっているという訳だ。出場者が紅白で披露する楽曲は12月中旬に発表されるが、これらの基準に当てはめると、May J.さんが「アナ雪」を歌うのは確実だ。
ただ、視聴者の間には、May J.と松さんの共演を望む声も多かった。この点について、柴崎哲也チーフプロデューサー(CP)は、松さんに出演を打診したかどうかを聞かれて
「企画は、内容・キャストともにこれからやっていくので...、ということでご理解ください」
と言葉を濁し、今後出演を打診する可能性についても
「全部、決まった段階でお知らせしますので...」
と話すにとどめた。
「出場者枠」のサプライズは「ない!」
紅組や白組に所属する形で出場する「出場者枠」について記者が、
「今日発表されていない方で、サプライズ的な方が例年いらっしゃいましたけど...」
と聞くと、柴崎CPは、
「ないです。だって『サプライズ』って言っちゃったらサプライズにならないじゃないですか!だから『ない』!」
と否定。「企画枠」での出演が今後の焦点になりそうだ。
松さんは96年に紅組司会、97年に「明日、春が来たら」で歌手として出演している。
会見欠席のHKT指原「本当にスケジュールを取ってもらっていなくて...」
初出場組には、ちょっとした「番狂わせ」もあった。11月16日には、AKB48の「公式ライバル」乃木坂46の「初出場が内定」したと日刊スポーツが大々的に報じていた。ところが、わずか10日後11月26日朝の日刊スポーツにおどった見出しは「HKT初紅白」。実際に初出場を決めたのも福岡市を拠点とするHKT48で、乃木坂46ではなかった。
指原莉乃さん(22)ら主要メンバー4人はAKB48の新曲「希望的リフレイン」の選抜メンバーにも選ばれており、民放のテレビ番組出演の関係で記者会見を欠席。中継で会見場に向けて、
「本当は会見の会場で喜びをみんなで分かち合いたかったんですが、まさか本当に出れると思っていなかったので、本当にスケジュールを取ってもらっていなくて...」
と話しかけた。主要メンバーのスケジュール調整ができないままに、HKTの出場が急に決まったことは間違いないようだ。
HKTが出場を決めたことで、紅組27組中、AKB48関連グループが4組を占めることになった。「多すぎる」という指摘も出そうだが、柴崎CPは、
「やっぱり人気者ですからね~。支持も高かったですし」
と説明。当初、乃木坂が有力視されていたことについては、
「報道のことは僕らは全然存じ上げないんですけれども、やっぱりHKTの皆さんに関しては、今年の頑張りというか、そのあたりが3つの要素を鑑みた時に、総合的に出ていただこうとした、ということ」
と話した。
乃木坂をめぐっては、「内定」が報じられた3日後の11月19日に発売された週刊文春11月27日号で、メンバーが男性アイドルグループのメンバーと抱擁している写真を掲載している。これが「恋愛禁止」の建前に違反するスキャンダルだとみなされた可能性も指摘されている。
他には、「SEKAI NO OWARI」、20周年のV6、薬師丸ひろ子さん(50)が初出場を決めた。薬師丸さんは13年は「あまちゃん」の企画枠での出演だが、14年は「出場者枠」だ。
14年の紅白では、2回目の出場を果たす中島みゆきさん(62)ら紅白合わせて51組が出場。これ以外に、企画枠で人気アニメ「妖怪ウォッチ」の楽曲を歌うキング・クリームソーダとDream5が出演する。