調査前に自主申告すれば課徴金半減
一方、消費者庁の調査前に企業が違反を自主申告すれば課徴金を半減するほか、適切な手続きで消費者に返金すれば減額・免除する被害回復の仕組みも盛り込み、適切と認められた方法で返金した分は、課徴金の総額から差し引く。これは、過ちを犯した事業者に対し、自主的な返金に誘導する狙いで、「消費者の被害を早期に回復することをうながすという意味で評価できる」(日経10月25日社説)など、肯定的な受け止めが多い。
評価が分かれるのは、不当表示をやめてから5年が経過している場合や、商品の仕入れ先などに表示の根拠を確認するなど「十分注意していた」場合は課徴金の対象とならないこと。「通常の商慣行に沿った対応をしていれば問題はないはずだ」(毎日11月4日社説)との指摘の一方、「どのような注意を払えばいいのか、戸惑う企業があるだろう」(読売11月4日社説)と疑問視する声も根強い。
いずれにせよ、消費者庁は、何が違反になるのか、不当表示の具体的事例の周知に努め、分かりやすく説明する責任がある。