課徴金額は「不当表示の売上額の3%」
課徴金制度はそもそも、2009年9月に消費者庁が発足する前から議論されてきたテーマで、同庁発足以来の課題だった。正当な事業活動を委縮させるのを恐れる産業界の反対で実現しなかったが、14年も外食店での牛肉偽装が明らかになるなど違反が相次いだことから導入に漕ぎ着けた経緯がある。
このため、今回決まった仕組みは、消費者サイドから見ると、業者に甘いと映る部分もある一方、業者側は企業活動を萎縮させないよう、配慮を求める。
まず、「不当表示の売上額の3%」という課徴金額。過去の違反事例の利益率などから割り出したもので、有村治子消費者担当相は「不当表示を抑止する目的を達成するために必要な水準という観点から設定した。妥当だと考えている」と語る。
また、処分件数が増えて行政側の対応が追いつかない事態を避けるため、実際に科されるのは、売上額5000万円(課徴金額150万円)以上に限る。これで実際に課徴金を課されるのは、措置命令を受けるケース(2013年度は45件)の半分以下にとどまる見通しだ。こうした点に、消費者団体からは「3%では低すぎる」「少額といえども免除は甘い」との批判が出る。