「どうして買収したのか理解できない」との声も
このようなアサヒビールの海外戦略の背景には、歯止めがかからない国内ビール市場の縮小がある。酒税法の見直しが検討され、ビール需要のさらなる落ち込みも懸念されるなか、国内トップブランドのスーパードライを持つアサヒビールとて安閑としてはいられない。
海外展開を加速させるアサヒビールは「スーパードライを2020年にグローバルブランドトップ10に入る商品にする」という目標を掲げており、経済発展著しい中国や東南アジアで、信頼される「日本ブランド」を武器に需要のさらなる掘り起こしに努めている。
それだけに富裕層が増加している中国やシンガポールなどに出店しているなだ万は、アサヒビールのブランドイメージを高めるのに打って付けの存在だったというわけだ。ただ、業界には「期待するほどのシナジー効果が得られるのか」と今回の買収に懐疑的な見方も少なくなく、そもそも「どうして買収したのか理解できない」との声も出ている。