アサヒビールが老舗料亭「なだ万」買収  背景には止まらない国内ビール市場の縮小

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   アサヒビールが老舗料亭のなだ万(東京都新宿区)の買収を決めた。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、改めて世界的に注目されるようになる中、海外でも出店して高いブランド力をもつ「なだ万」を取り込むことで、海外でのアサヒブランドの浸透と事業強化を図る狙いがあるようだ。

   アサヒビールは2014年12月にもなだ万創業家から発行済み株式の51.1%を取得する予定。買収額は明らかにしていない。これまでも居酒屋チェーンやファミリーレストランに出資し、外食企業との関係強化を進めてきたが、買収に至ったのは今回が初だという。

アジアで7店の高級日本料理店をオープン

「ビール」がダメなら「料亭」で(画像はなだ万のホームページより)
「ビール」がダメなら「料亭」で(画像はなだ万のホームページより)

   なだ万は1830年に初代の灘屋萬助氏が大阪で創業した料理店をルーツとする。1986年の東京サミットの公式晩餐会に、なだ万の「山茶花荘」(東京都千代田区)が選ばれるなど各国の国賓や政財界人にも多くのファンをもつ。国内で27店を展開しているほか、1981年の香港を皮切りにアジアで7店の高級日本料理店をオープン。料理店以外にも百貨店などで惣菜や弁当を販売する「なだ万厨房」も国内で37店を展開している。

   なだ万買収というニュースに対し、ネット上では「なだ万なんて行ったこともないし、これからも行けないだろうな」「ミシュランにも載る懐石の老舗」などというコメントが並んだように、世間では「庶民に縁遠い高級料亭」というイメージが強い。

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