安倍首相の単独インタビュー、朝日新聞を徹底的に冷遇 スポーツ紙より後回し、産経グループはすでに3紙

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   安倍晋三首相が衆院解散表明直後からメディアへの露出を急速に増やしている。新聞、テレビの個別インタビューを相次いでこなし、通常であれば複数社が共同で行うスポーツ紙とのインタビューも個別に行うほどだ。特に東京スポーツとのインタビューではUFOの話にも笑顔で応じるなど、かなり「軟化路線」にシフトしているようにも見える。

   安倍首相が批判を繰り返している朝日新聞とのインタビューは2014年11月25日になってやっと実現したが、他の主要紙や通信社の「後回し」。結果として朝日は「東スポのUFO話」にすら「抜かれる」事態になっている。

英エコノミスト誌のインタビューも受ける

安倍首相は11月21日の会見の直後にスポーツ紙の取材を受けた
安倍首相は11月21日の会見の直後にスポーツ紙の取材を受けた

   安倍首相は2014年11月18日夜の会見で解散を表明し、21日の解散直後にも会見を開いて「アベノミクス解散」と命名。両日の会見の直後に、報道各社のインタビューを多くこなしている。

   11月18日夜には日経新聞、毎日新聞、日本テレビ、夕刊フジのインタビューに応じ、NHKとTBSの番組に出演。翌19日には産経新聞と読売新聞のインタビューを受けた。21日の会見後は、約1時間半でスポーツ報知、日刊スポーツ、東京スポーツ、サンケイスポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ、東京中日スポーツの7社のインタビューを立て続けに受けている。連休初日の11月22日にも、英エコノミスト誌、共同通信、時事通信のインタビューを受けた。

   13年7月の参院選では、安倍首相はスポーツ3紙の共同インタビューを受けている。それと比べると、今回はスポーツ紙がかなり厚遇されているとも言える。内容もやわらかいものが多く、安倍政権としては、幅広い層に自らに主張を伝える狙いがあるとみられる。

東スポ「UFO」、デイリーは「阪神ネタ」で盛り上がる

   例えば東スポの見出しは、「安倍首相熱く語った!! 解散の大義そして宇宙人」。安倍首相も

「東スポを読むとねぇ、『宇宙人は見つかったんだなー』と驚いたことはありますよ。でも、なかなかねぇ、総理大臣としてUFOの存在を信じているとは言えませんよぉ~(笑い)。でもね、この広い宇宙でね、生きているのは私たちだけじゃないと思う夢があっていいと思います」

と嬉しそうだ。阪神タイガースを熱烈応援するデイリースポーツは、

「この日は黄しまの『トラ柄』ネクタイを着用。自身はヤクルトファンだが、神戸製鋼に勤務していたことから『あの会社は阪神ファンじゃなきゃ生きていけない』と冗談めかして語るように、阪神にも愛着がある」

とまとめた。

   朝日新聞の安倍首相単独インタビューが実現したのは、連休が明けた11月25日夕方だった。安倍首相は朝日新聞の報道をしばしば「捏造」と強く非難しており、これだけ朝日だけインタビューが遅くなったのは、政権との関係悪化が関係していたとの見方も出そうだ。

   対照的なのが安倍政権を支持する論調を続けている産経新聞社。11月21日までに産経新聞本紙、夕刊フジ、サンケイスポーツと3回にわたってインタビューを行っており、安倍政権からの厚遇ぶりがうかがえる。

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