花王に続いて資生堂、ファンケルも 「50歳以上」に向けたシニア化粧品

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   超高齢化社会に向け、化粧品各社がシニア女性向け化粧品の強化に乗り出している。国内最大手の資生堂は2014年11月11日、シニア向けの新ブランド「プリオール」を立ち上げ、来年1月から商品全33品目を一斉発売すると発表した。

   資生堂がこの分野で最大のライバルと位置づける花王も、50代以上向けの商品ラインの充実させており、化粧品各社のシニア戦略は急速に進んでいる。

5年後には50歳以上が過半数

シニアの肌をビジネスに(画像はイメージ)
シニアの肌をビジネスに(画像はイメージ)

   資生堂によると、全女性人口に占める50歳以上の女性の割合は、2010年で46.1%だが、2019年には50.2%に拡大し、過半数を超える。資生堂は「シニア世代がマジョリティー(多数派)となる、時代の一大転換期を迎える」とし、新しい環境に即した化粧品の新市場を自ら作り出したいとの狙いだ。

   同社はこれまで2年以上をかけて計6672人のシニア女性に対面でのインタビューを実施。「いくつになっても〝光りもの〟(パール感)が好き」「化粧水より、流れ落ちないジェルがいい」など本音を聞き出し、その声をもとにプリオールを開発した。

   プリオールは、スキンケアからヘアケアまで幅広くカバーする総合ブランドで、下地がいらないファンデーション「美つやBBジェルクリーム」や、使うだけで生え際の白髪を目立たなくする「カラーコンディショナー(カラーリンス)」など、手間や時間をかけずきれいになれる商品ラインを準備。商品のパッケージにはカラー写真や大きな字で説明書を示すなど、目の力が衰えるシニア層が使いやすいよう工夫した。

   さらに、CMにはいずれもベテラン女優で、69歳の宮本信子さんと、55歳の原田美枝子さんを起用。11日の記者会見に出席した宮本さんは「私に声がかかるとは思わなかった」と笑わせた。

   資生堂がプリオールにかける意欲は非常に強い。魚谷雅彦社長が「これまで多くの企業がチャレンジしてきたが、なかなかシニアの市場を形成できていない。資生堂は新しい市場を創造するチャレンジをする」と強調したほどだ。

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