製薬会社もミドリムシへの関心
粉末状のミドリムシはコンブのような味わいで、薄い緑色。さまざまな食品との相性もよく、クッキーやヨーグルトなどに入れたものは人気が高い。製薬会社もミドリムシへの関心を高めており、武田薬品工業はミドリムシを使った健康補助食品を10月に発売した。武田が最も興味を持っているのは、ミドリムシだけがもつ特殊な成分「パラミロン」という。パラミロンは油分などを吸着し、対外に排出する動きをもっているとされ、武田は現在、新たな製品の開発を目指している。
食品だけでなく、ミドリムシ含有商品は化粧品にも広がっている。ユーグレナは、ミドリムシから抽出したエキスにエイジング効果があるとして、このエキスを使った洗顔料や化粧水などの販売も始めた。
また、燃料としての活用にも注目が集まっている。ミドリムシは体内で生み出す脂肪が多く、超低温でも凍結しないといい、航空機燃料などに適しているとされる。ユーグレナは現在、日立製作所などと航空機燃料の実用化に向けた研究を進めている。また、いすゞ自動車とはディーゼル燃料の研究も行っている。ミドリムシの燃料化が現実化すれば、日本のエネルギー自給率向上にもつながる可能性もある。
ミドリムシ、今後もさらに多様な分野で活躍しそうだ。