日本発の一風変わった弁当が海外で注目を集めている。夫や彼氏に対する不満や怒りをユーモアたっぷりに表現した「仕返し弁当」と呼ばれるものだ。
以前日本でも話題になったが、2014年11月に複数の海外ブログが取り上げ、国境を越えて反響を呼んでいる。
ふたを開けると真っ赤っ赤な「逆日の丸弁当」
彼氏や夫とケンカした際、「明日のお弁当は作らない」というのは一つの反抗手段だろう。しかし「あえて作る」ことで復讐心を満たすこともできる。それが「仕返し弁当」「ケンカ弁当」で、インターネット上には実際に作られた弁当の画像がいくつも投稿されている。
もっともポピュラーなのは白米の上に海苔でメッセージを作るパターンだ。でかでかと「アホ」「バカ」「毒」などと書かれたものもあれば、「激怒ぷんぷん丸」「反省シナサイ」などと少々手間のかかるものもある。
だが、文字であれば可愛いもの。ゴキブリやムカデを海苔で再現した弁当は、食欲が減退すること間違いなしだ。中には海苔などを使ってアース製薬の殺虫剤「ゴキジェットプロ」のパッケージを忠実に再現した上級者の「作品」もあった。
「虫系」以外では「ゾンビ系」「セクシー系」も目立つ。ウズラ卵などで白目を作り、ケチャップや桜でんぶで血を、ハムでだらしなく垂れる舌を表現するといった具合で、ふたを開ければ思わず「ヒッ」と声を出しかねない。2つの丸型おにぎりのトップにワンポイントをくっつけた「おっぱい弁当」は、同僚の目を気にしながらコソコソ食べる様子が目に浮かぶ。
ゾンビ弁当のような「キャラ弁」並みに手の込んだものがある一方で、準備に数分しかかかっていないと思われる手抜きの仕返し弁当もある。スズメの涙ほどの白米、その周囲にぎっしりと梅干を詰めた「逆日の丸弁当」はその一例だ。他には2段とも「コーンだけ」というガッカリ弁当や、白米に生卵をのせ、ビスコ1袋を添えた無慈悲かつ衛生面が気になる弁当も。
嫌がらせのためとはいえ、バラエティ豊かな「作品群」は目を見張るものがある。中には本当に怒って作っている場合もあるだろうが、思わず笑ってしまうものがほとんど。これをきっかけに仲直りをするケースも多いのだろう。
米仏では数年前から「bento」ブーム
これらがいくつかの海外ブログで「Lunch Box of REVENGE」「REVENGE BENTO」などとして紹介されると、
「すばらしい!」「これは最高だな」「めっちゃ笑った」「今日見たものの中で一番おもしろい」「日本のガールフレンドは絶対怒らせちゃだめってことか...」
などとさっそく反響を呼んだ。
もともと日本の弁当文化は「bento」として以前から注目されている。海外でもランチを持参する習慣はあるものの、たとえばアメリカではサンドイッチにバナナというような簡単なものが定番。日本のような手の込んだ弁当は新鮮だったようで、アメリカやフランスでは数年前から弁当グッズや本が人気を博していることが日本でも報じられている。
キャラ弁も「Character Bento」として浸透している今、海外版「Revenge Bento」がインターネット上に登場する日はそう遠くないかもしれない。