安倍首相は2014年11月21日記者会見を開き、同日午後の衆院解散を「アベノミクス解散」と命名した。「アベノミクスの是非」を12月14日に投開票される衆院選の争点に位置づけたい考えだ。
安倍首相は会見の冒頭で、
「アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙。連日野党は、『アベノミクスは失敗した』と批判ばかりを繰り返している。私は今回の選挙戦を通じて、私たちの経済政策が間違っているのか、正しいのか、本当に他に選択肢はあるのか、国民の皆様にうかがいたいと思う」
などと「命名」の理由を説明した。
引き上げ時期再延期しない点で野党と差別化
民主党をはじめとする野党も増税の先送りを容認し、選挙の争点になりづらいという指摘には、
「野党の人たちは、ではいつから10%に引き上げるのか。その時期を明確にしているという話を、私は聞いたことがない。そこはきわめて大切な点だ」
と述べ、法改正で景気条項を削除した上で17年4月の消費税率10%への引き上げ時期を再延期しないという点で、差別化したい考えだ。
今回の解散をめぐっては、民主党の海江田万里代表は「駄々っ子解散」、維新の党の江田憲司共同代表は「経済失政解散」、共産党の志位和夫委員長「追い込まれ解散」、社民党の吉田忠智党首は「アベノミクス失敗隠し解散」などと命名している。