「僕にとっては神様みたいな人」
2010年に療養のため約半年間仕事を休んでいたときも、高倉さんは岡村さんを気遣っていた。入院中、1冊の本を贈ってくれたという。
本には「このページを読みなさい」とマークがあり、高倉さんは「僕自身も迷ったときや心を落ち着かせようとするときに、ここの一文を読むんだ」と説明。岡村さんは今でも心を落ち着かせたいときには必ず本を手に取っているそうだ。
「何か困ったことあったら、いつでも連絡してこい」と気にかけ、悩んだときや復帰したときなど「節目」には手紙や電話などでアドバイスをくれた。岡村さんは、
「みなさん『寡黙で不器用でおしゃべりしない人』いうふうに思うかもわかんないですけど、ものすごいおしゃべりしはる人なんですよ。もうこっちがしゃべる隙間がないくらい、ずっとおしゃべりしてくれはって」
とその人柄を振り返る。電話での第一声は必ず「勝新太郎です」だったというお茶目なエピソードも明かした。
それでも自分から電話をかけるのは畏れ多く、「お茶でも飲んで、色々話しよう」という約束が叶うことのないまま、旅立ってしまった。岡村さんは「本当に僕にとっては神様みたいな人ですし、本当に命の恩人と思っている」と寂しそうに語った。