日本全国で増えている「シャッター街」。昭和時代に活気があった商店街が、歯が抜けたように1店舗、2店舗と廃業していき、シャッターが閉じたままになっている。いまや、衰退する地域の、また不景気の象徴のようでもある。
そんなシャッター街をつくった犯人は誰なのか――。インターネットでにわかに盛り上がっている。
商店街は7店舗に1店舗が「空き店舗」
きっかけになったのは、あるツイッター。「民主党候補の『見てください!このシャッター街を!全て自民党のせいです!』という街頭演説に対し『何言ってんだ!ジャスコのせいだ!』ってヤジが飛んだのは面白かった」と、つぶやいた。
ツイートがあったのは2014年11月19日午後だが、話題となったことで20日夕方にはリツイート数が8000に迫っている。
総合スーパーの「ジャスコ」は現在、国内ではその看板が「イオン」に掛けかえられていることもあり、インターネットでは「釣り」ではないかとの指摘もあったが、
「うまいやりとりですね」
「座布団一枚www」
「WAONと絶叫すれば最高!」
「民主党名物、ブーメラン炸裂だなw」
というように、思わずニヤリとしてしまった人は少なくないだろう。
周知のように、民主党の岡田克也代表代行の父・卓也氏は「ジャスコ」の創業者で、イオンの岡田元也社長は実兄にあたる。
ツイートが笑いを誘うのは、シャッター街が増えたのはイオンのような郊外型のショッピングセンターが町の商店街のお客を奪った、「元凶」だからではないのか、といった見方があるからだ。
昭和の時代、町の商店街は日本のあちらこちらにあり、多くの買い物客で賑わっていた。それが今ではアーケードや街灯が老朽化したうえ、シャッターを閉じたままの商店が多く、「昼間でも薄暗い」などと評判はガタ落ちだ。
実際に、シャッターが閉まった「空き店舗」は増えている。中小企業庁の「商店街実態調査 2012年度版」(8000商店街が対象、回答率38.6%)によると、1商店街あたりの空き店舗率は、2000年度は8.53%だったが、前回調査の2009年度には10.82%、2012年度には14.62%と、7店舗に1店舗が空き店舗になった。
空き店舗が減らない理由は、「商店街に活気がない」(19.1%)が最多だった。
また、最近3年間に退店(廃業)した店舗数は、「1~3店舗」が全体の21.7%を占めている。その理由で最も多かったのは「商店主の高齢化・後継者の不在」(29.6%)だった。
「でもどう見てもジャスコのせいだよねw」
一方、地方では「1軒2台」のマイカーが浸透したこともあって、郊外型のショッピングセンターが高い集客力を誇っている。町の商店街はそういった商業施設に客足を獲られるから、活気がなくなる。そのために空き店舗が増えて、ますます活気がなくなる、悪循環に陥った。
そういった流れをつくったのが、大規模小売店舗法。大店法は1974年施行。町の商店を保護するため、大型店が出店する際に店舗面積や営業日数を規制していたが、日米構造協議で批判され、2000年に廃止。代わって施行された大規模小売店舗立地法(大店立地法)は出店規制を緩和したため、郊外への進出が加速したとされる。
前出のツイートに寄せられた声には、
「1990年代の大規模店舗法改正のせいだから、自民党のせいと言えなくもないぞ?」
「大店法のせいでもあり、イオンのせいでもある」
「まあ、ほぼ自民のせいだがな」
「でもどう見てもジャスコのせいだよねw」
と、「自民党」「ジャスコ(イオン)」と賛否両論。
さらには、
「まだ、そんなこと言ってんの? 商店街に魅力がないだけ」
「国政でもなく、ジャスコでもなくて、やる気のない商店主と不動産業者のせいやと思うけど。閉めても困っている人おらんし」
と、商店街という「仕組み」そのものがすでに崩れているとの声もある。