車輪を下ろす「ゴゴゴ...」という音に気づかないくらい静か
今回飛来したのはA350-900型機。胴体の幅が広いこともあって、窓側座席の頭上にある荷物入れには、スーツケースを5つ収納することができる。客室の照明は完全にLED化した。最大1670万色を出すことができ、乗客の時差ボケが軽くなるように工夫した。客室内の気圧も6000フィート(約1800メートル)相当と比較的高く、2~3分に1回、客室内の空気が入れかわる。
関係者向けのフライトは11月20日12時45分頃羽田空港を出発。1時間半ほどかけて伊豆半島、富士山の南側、名古屋、伊豆大島、房総半島上空を通過して羽田空港に戻った。従来機よりも機内の音が静かで、通常は着陸直前に「ゴゴゴ...」といった車輪を下ろす音が機内に響くが、今回のフライトでは気づくことができなかった。
あいにくの天気で景色がほとんど見えなかったこともあって、乗客が「音」に注意を向けた面もありそうだ。
操縦室からフライトを見守った植木義晴社長は、フライト後に、
「非常にワイドな胴体で、ゆったりとくつろいでいただける。座席はスタンダードなものがついているが、これから我々もどういった座席をいくつぐらいつけるか検討していく。これから考え得る最高の座席をつけて、最高のサービスでお迎えしたい」
などと話した。
A350 XWBは、現時点では5機生産されており、そのうちの1機が11月19日に韓国から羽田空港に到着。11月21日にはベトナムに向けて出発し、タイ、マレーシアを経由してフランスに戻る。