新聞に広告を出すためには新聞社の審査に合格する必要があり、週刊誌の広告表現をめぐって出版社と新聞社の間で攻防が展開されることはしばしばだ。特に問題視されることが多いのが性表現で、例えば大手紙の中では「巨乳」といった表現が認められないこともある。
だが、普段はスポーツ紙や夕刊紙にしか載らないアサヒ芸能の広告が久々に毎日新聞に掲載され、その中には「エッチ」「エロ」「美乳」といった刺激的な文字がおどった。これまでも産経新聞や地方紙には掲載されてきたが、毎日新聞のような全国で広く読まれている新聞に載るのは珍しい。ただ、実際の雑誌誌面での見出しや、夕刊紙に普段載る同誌広告の表現はもっと過激だ。同誌としては全国紙に広告を載せて認知度を高めたい考えで、今回はこれでも全国紙向けに広告表現を抑えたようだ。
広告は国際面に全5段で載る
アサヒ芸能の広告は2014年11月18日の毎日新聞朝刊の国際面に全5段で掲載された。
内容は盛り沢山で、巻頭のグラビア特集を
「『S1』10周年ベストエロ50」
「美乳のファンタジスタ」
などと表現した。「S1」とは、アダルトビデオメーカーのことを指す。
それ以外に、芸能や事件関連記事の見出しには
「石原さとみ 酔って『超淫語』連発した」
「逮捕60歳男が『密室撮影会』レイプ」
「女子ゴルフ香妻琴乃『愛人タイプ』なD乳」
というものもある。アサヒ芸能のウェブサイトには、毎日新聞に掲載された広告と全く同じ内容の広告が載っており、アサヒ芸能が提出した広告原稿に毎日新聞が手を入れていないことが分かる。
毎日新聞がウェブサイトで公表している「広告掲載基準」によると、性に関連する表示では、(1)露骨または卑猥な性表現(2)劣情をみだりに刺激する表現(3)性行為を連想させる挑発的な表現(4)セクシュアル・ハラスメントとみなされる表現、といった表現は避けるように求められている。アサヒ芸能の広告は、これらの基準をクリアしたことになる。