居酒屋は市場が3割縮小
居酒屋はそんなにひどい状況なのか?数字を見ると、確かに厳しい。食の安全・安心財団によると、「居酒屋・ビヤホール」の2013年の市場規模は1兆96億円と、ピークだった1992年から約3割縮小しているのだ。
バブル崩壊による景気低迷に加え、若者のアルコール離れが響いたというのが理由と言う。また、近年は日高屋や餃子の王将など、料理もアルコールも手軽に楽しめる中華店が台頭。吉野家は手ごろな価格でアルコールとつまみを提供する「吉呑み」を展開して「ちょい飲み」需要を取り込む。スーパーやコンビニエンスストアも、総菜を充実させて「家飲み」需要の確保に躍起-―といった具合だ。
一方、「食」が主体の飲食店の市場規模は12兆8000億円で、1990年代以降ほぼ横ばい。人口減少社会に入り成長市場とはいえないが、居酒屋に比べれば、まだ伸びる余地はある。
コロワイドの野望は、国内だけにとどまらない。今後5年間で、東南アジアを中心に「牛角」「温野菜」など約450店舗を出店する計画だ。国内市場は行き詰まっても、海外に目を向ければ成長の可能性は広がる。日本食や日本式サービスは、海外でも人気が高い。日本よりはるかに成長率が高い新興国需要を取り込みたい考えだ。
ただ、カッパHDは「スシロー」「くら寿司」などとの競争激化に苦しみ、2014年2月期まで2期連続で純損失を計上している。まずはカッパの業績を回復させ、足もとを固めることができるかが問われそうだ。