「郵政解散」「死んだふり解散」選挙後に株価上昇!
自身もデイトレーダーで、投資教育会社を運営する金子好之氏も慎重だ。「株価が上げ基調にあることは確かですが、2万円はどうでしょうか。GDPがマイナスなのに、株価が2万円台というのは考えにくいですね」と話し、「1万8000円台がいいところ」とみている。
株価「2万円」を予測する背景には、過去の経験則がある。ロイター通信(11月10日付)は11月10日付の「クロスマーケットアイ」で、今回の衆院選が「政界で消費再増税への意見が二分する現状は、郵政民営化が争点となった2005年8月の『郵政解散』時に似ている」と指摘。「当時のように自民大勝なら経済政策を一段と進めやすくなり、株高が進行するとの期待も出ている」としている。
郵政解散時は自民圧勝を好感し、日本株は急上昇。日経平均株価 は1万1778円(2005年8月8日)から1万7563円(06年4月7日)まで5784円も上昇した。
東京東海調査センター投資調査部の隅谷俊夫氏は11月14日に公開した「マーケットストラテジー」で、小泉内閣時の「郵政解散」と1986年6月の中曽根内閣時の「死んだふり解散」を引き合いに、自民大勝で株価が上昇したケースを示した。
隅谷氏は「消費増税の先送り報道を好感して株価が上昇しましたが、その本質は総選挙で自民党が勝つことにあります」と話す。衆院選に勝てば、安倍政権が安定して4年にわたりアベノミクスが持続し、その間の株価上昇が期待できるとしている。
ちなみに、自民党は現在295議席。公明党が31議席の合計326議席と3分の2以上の圧倒的多数を占めている。今回の衆院選は、「自民党が強いわけではなく、野党が自民党以上に弱く、そのために自民党が圧勝する」との見方もまた少なくない。