主要紙社説で消費増税先送りを批判 でも「新聞には軽減税率を」の大合唱

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「新聞大会決議」3年連続で「新聞に軽減税率適用すべき」

   各紙の報道によると11月14日、菅義偉官房長官が、消費税率を10%に引き上げる際に新聞に対して軽減税率を適用するよう求める244万人分の署名を受け取ったという。署名は日本新聞販売協会が集め、菅長官は新聞への軽減税率適用について「欧州では税率ゼロのところもあり、十分理解している」と述べたという。

   新聞におけるこのような主張は、最近はじまったことではない。食料品や水、エネルギーと並んで新聞も「生活必需品」と位置付けているからだ。

   新聞業界では毎年10月15日から1週間、「新聞週間」を設けている。期間中には「新聞大会」が催され、決議が採択される。日本新聞協会のウェブサイトには、これまで決議された内容が公開されているが、過去3年連続で「新聞に軽減税率を」の訴えが明記されているのだ。

   2012年、東日本大震災からの復興は道半ばとしつつ、この年8月に成立した「社会保障・税一体改革関連法」に消費増税が盛り込まれたとして、「新聞を含む知識への課税強化は民主主義の維持・発展を損なうものであり、新聞には軽減税率を適用するよう強く求める」と主張した。欧州諸国の事例を「学ぶべき」と強い調子の文面だ。2013年は消費税率8%への引き上げが決まったことを受けて、「新聞については軽減税率を適用し、現行の税率を維持すべき」とまたも強調している。

   そして2014年は「新聞への軽減税率適用を求める特別決議」が出た。これまで同様、「今後の社会・文化の発展と読者の負担軽減のため、消費税に軽減税率を導入し、新聞の購読料に適用するよう求める」としている。

   社説では「消費増税先延ばし」を批判しつつ、新聞業界への税率は軽減してほしいという主張は、今回の「増税先送り批判」の局面でも変わらない。

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