逮捕船長6人中5人が釈放済み
海保によると、これまで逮捕された中国船船長は6人。そのうち、実は5人がすでに釈放されている。沿岸から約370キロの排他的経済水域(EEZ)内で違法操業した場合、担保金と呼ばれる実質的な罰金を関係者が支払うと保証する書面を提出すれば、早期に釈放される仕組みがあるためだ。
では残りの1人はどうなったのか。横浜海上保安部によると、10月5日に外国人漁業規制法を違反した容疑で密漁船の船長、許益忠容疑者が逮捕されている。容疑者は沿岸から約22キロ以内の領海で違法に操業していた。領海内での逮捕の場合は担保金による早期釈放制度は適用されないため、すでに横浜地裁に起訴されている。許容疑者の逮捕日と、週刊文春によるSST投入日、ならびに「領海内」の事件ということも一致するが、具体的な逮捕手段について、横浜海上保安部は明らかにしなかった。
なお、週刊文春はSST投入が極秘に行われた背景を、日中首脳会談開催への影響を危惧したためとしている。そうした甲斐もあってか、中国側も対応に乗り出し、APEC開催中は小笠原諸島沖での密漁船の数は激減。しかし、首脳会談後は再び増加に転じ、6人目の逮捕者を出している。