CO2排出量規制、12月に新たな「ルールづくり」はじまる
じつは、CO2排出量は世界的にも増え続けている。CO2排出量の削減に取り組む研究機関によるグローバル・カーボン・プロジェクトのレポートによると、2014年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量は、前年比2.5%増の370億トンとなり、過去最高を更新する見通しという。
その背景は中国の排出量の増加で、中国のCO2排出量は2014年に4.5%増の104億トンに達すると予想している。米国は0.9%減の52億トン、欧州連合(EU)は1.1%減の34億トンとなる見通し。また、2019年には世界のCO2排出量は432億トンに増加し、そのうち、中国の排出量が127億トンに達すると予測している。
これまで、中国と米国はCO2排出量の規制に消極的だった。ところが、中国の習近平国家主席とオバマ米大統領はCO2削減について、2014年11月12日の北京での会談でそろって前向きな姿勢を打ち出した。
世界がはじめて導入した温暖化ガス(CO2)排出量規制で、CO2排出量に国別の上限を設定した「京都議定書」(1997年制定)は、そんな中国や米国が従わなかったことなどから骨抜きとなり、2013年以降は原発事故を理由に日本も削減目標の割り当てを拒んでいた。
CO2削減に向けた新たなルールづくりは、12月にペルーのリマで開かれる第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)で交渉がはじまる。